002依頼遂行中 ページ2
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音を立てないように、また的確に書類からデータを抜き出していく。先日、俸給報酬を出してきた世間知らずの依頼人から再び注文が来た。
イルや父さんは良い顔をしないけれど、そんなの自分の勝手だ。
顔も知らないその男に依頼されたのは「邪魔な組を潰すこと」。どうやら彼は最近幅を利かせている複数個の組織が気に入らないらしい。
なんでも、美しい宝石だけを集めているとか。どんなものやら。
「だからと言って私を使うのは贅沢ね」
十億単位という桁違いの料金を自ら提示するような真似をしてまで。愚かな男だ、とため息をつきながら再び書類に目を通す。
組に新入りとして潜入を始めてから早半月。どうやら管理はしっかりしていて各々の仕事は一週間前には組まれていき、二日前に知らされる。
かなり統制されているにも拘らず、ガードが堅いわけでも末端だからと変に警戒されることもなく簡単に輪の中に入り込めたのだから早々と終わらせてしまいたい。
……うーん、組織の手懐け方が分かってないようだ。
「書類に不備があるとかボスも変なところ細かいよな」
「あぁ、全くだよ」
そんな声と共に靴と絨毯が擦れる音、腰元でホルダーに銃がぶつかる鈍い音が耳朶を打つ。めんどくさいったらありゃしない、と男二人組が無警戒にドアを開け視線がかち合った。
「何してる？ それは機密書類だぞ」
「宝石の流通を止めると依頼人がへそを曲げるので流そうかと」
何を言われているのか分からなかったようで男達は面食らった顔のまま口を開けたり閉じたりしている。この場で殺すのは勿体ない。
最大限。
使えるまで。
使い潰す。
「よく家族に「人間運がない」と言われるのよ。私に依頼する人間も標的も家畜の糞と腐った食べ物を混ぜたような奴しかいないって言うの」
全員が、口を揃えて「人づきあいが下手くそ」と言う。
イルに至っては
「メルって生まれた時から関わってきた人間が家族以外ゴミ以下だよね。それ何とかならないの？ 知り合いにも相談してるんだけど中々良い解決方法なくてさ────」
とまで言ってくる始末。
……待って、誰に相談してるの？？
目の前でドアに手をかけ、今にも叫びだしながら動かんとしている男達に尖った爪を向ける。
「酷いと思いません？ 10000人に1人くらいは濁った泥水で洗ったお米みたいな人も居るのに」
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のの - めっちゃ好きです、再度失礼しますー！！ 応援してます！！ (12月11日 16時) (
レス) @page9 id: 4685323d64 (このIDを非表示/違反報告)
ふぃあろ(プロフ) - めちゃくちゃ面白いです、頑張ってください！！絶対と内容がほんとに好き…… (12月9日 20時) (レス) @page7 id: a89e9c6a81 (このIDを非表示/違反報告)
hxin - がんばって、すき (12月9日 8時) (レス) @page5 id: eab9e2d2e5 (このIDを非表示/違反報告)
fille - すここ (12月8日 22時) (レス) id: 1bf7c70f46 (このIDを非表示/違反報告)
のの - おもしろーいです！！ 頑張って！ (12月8日 19時) (レス) @page5 id: 4685323d64 (このIDを非表示/違反報告)
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