友だからこそ ページ5
希佐side
ナナシさんは、あの後すぐにダンスルームを去った
私に笑いかけ、フミさんのすぐ横を通り過ぎて…
ナナシさんが居なくなると、フミさんの表情が少し変わった
今も眉を寄せているけど、さっきまでとは違う
後悔とか心配とか…そういういろんな感情が混ざった表情だ
フミさんがこんなに思い悩むなんて…ナナシさんっていったい…
更文｢…希佐」
希佐「はい？」
更文「いや………大丈夫そうだな…」
希佐「………？」
首を傾げる私を他所に、私を見て微笑むフミさん
切り替えたのだろうけど、まだ憂いが残ってる
何か力になれないのだろうか…
希佐「フミさん。ナナシさんとは、知り合いですか？」
思い切ってそう聞いてみると、フミさんは少し視線を落とした
更文「ナナシ………ね…」
希佐「フミさん？」
更文「あぁ、いや…。あいつは
クォーツの一員でもある、と続けたフミさん
確かにクォーツの制服を着てたけど…寮でも見たことがない
クラス練習でも見覚えが…
更文「ほんっとお前って周りをよく見てんのな」
希佐｢え？｣
更文「顔に出てんぞ。見たことがないってな｣
ハハッと笑い、そう言ってくるフミさん
さっきまでの憂いはもう見えない
でも、根本的な解決にはなってないよね…
更文｢…希佐。あんな態度取っちまった俺が言うのもなんだが………Aと俺は仲が悪い訳じゃない。だから…そんなに気にすんな｣
希佐｢ッ!……すみません｣
更文｢いや、心配してくれてありがとな。Aのことは、そのうちクロから紹介があるはずだ｣
ちょっとわけアリなのだと、フミさんは呟いた
更文｢Aは…悪いやつじゃない。気の良い奴だし、周りを見ることだってできる。だけど………安易に近づくなよ、希佐｣
希佐｢……え？｣
更文｢今のあいつは飢えてんだ。……同じことは繰り返さない｣
まるで戒めるようにそう呟くフミさん
フミさんがここまで言うほどのことがあったんだ…
それが何か気になったけど、今聞くべきではないよう
な気がした
返事を待つフミさんにただ頷くと、フミさんはどこか寂しそうに笑った
更文｢ありがとな。お前らのことは……守るから｣
口振りからは固い意思を感じる
だけど、フミさんの表情には迷いが見えた
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甘味! - ひえっ設定とかいろいろ好きすぎる､､､応援してます！頑張って下さい！ (2021年6月20日 15時) (
レス) id: f8e0e8f1cf (このIDを非表示/違反報告)
イェ二 - ライラックさん» コメントありがとうございます。不定期のうえ ゆっくり更新ですが、楽しんでいただけると幸いです。 (2021年4月28日 19時) (レス) id: 7b39290272 (このIDを非表示/違反報告)
ライラック - 面白いです。とっても面白いです。更新頑張ってください！ (2021年4月25日 18時) (レス) id: a6b9c04261 (このIDを非表示/違反報告)
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