淡いブルーの朝食 ページ45
「A、やっと起きた」
ニカッって
朝から眩しいのは
太陽だけじゃないみたい。
「どしたの、こんな早くに」
「ん？なんか目ぇ覚めた」
いつもお寝坊さんで
ちょっとだけ寝起きは機嫌悪いのに。
何時から起きてたんだろう。
「…これ、」
「Aの」
「食べていいの？」
「ん」
優しく伏せた目の先には新聞。
手には鉛筆。
また。4コマ漫画に落書きしてる。
楽しげな智くんの横を通って
淡いブルーのプレートを食卓に運ぶ。
「智くんのは？」
「ヨーグルト」
「ん、待ってね」
ガラスの器に白いヨーグルトを落とした。
智くんはいつの間にか
鉛筆をスプーンに持ち替えてる。
「はい、どうぞ。珍しいね、ご飯作ってくれるなんて」
「お礼」
「お礼？」
「看病の」
「…ふーん」
智くん。
私、お礼されたくて
看病したんじゃないの。
ただね？そばに居たかっただけなの。
弱ってる姿を見られるのが
なんだか嬉しかったの。
「結局３日も寝込んだし」
「そうだね」
「Aずっとどこも行けんかったし」
「ん、いいのに」
いいのに、そんなの。
行けなかったんじゃないよ。
行かなかったの。
そばに居たかったの、私。
智くんに、伝わらない。
いつもなんとなく
お互いの気持ちが分かるのに
翔くんと会ったあの日から
掛け違えたボタンのように
わかりやすく違和感がある。
「治って、安心した」
「…んー、ごめんね。もう出かけて、いいから」
「……うん、ありがと」
智くんが笑っても
私は苦笑い。
遠まわしに
出てって、って、言ってる？
あの日、話が途中になっちゃったよね。
俯いた私の
食卓を挟んで向こう側。
智くんがスプーンをカチャカチャいわせて
私の大嫌いなヨーグルトを食べてる。
時々
目の前の人が怖く感じる。
智くんのこと、なんだか怖い。
いつも優しくて、笑ってて
でも本当は、どんな人なの？
何も気にしないみたいな顔して
なんでも受け入れてくれて
でも本当は
私のこと、どう思ってるの？
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奈緒(プロフ) - keiさん» お久しぶりです〜！いつもありがとうございます( ；∀；) 私にとっても大切なお話なので、ゆっくりではありますができるだけ進めたいと思います。 (2016年12月8日 4時) (
レス) id: 5db05a964a (このIDを非表示/違反報告)
奈緒(プロフ) - 智花さん» はじめまして。隅っこのお話を見つけてくださって感謝です。のんびり大切に書いていたら随分時間がかかってしまいました(*´-`) 気を長くお待ちいただけたら嬉しいです。 (2016年12月8日 4時) (レス) id: 5db05a964a (このIDを非表示/違反報告)
奈緒(プロフ) - さなえさん» さなえさん〜！いつもありがとうございます( ；∀；) 時間を見つけて書き続けたいものです。どうぞ長〜い首にマフラーを巻いてお待ちくださいませ(笑) (2016年12月8日 4時) (レス) id: 5db05a964a (このIDを非表示/違反報告)
奈緒(プロフ) - まいさん» コメントありがとうございます(^^) とてつもなく遅いお返事ですみません…。のんびりやっておりますが時たま思い出して楽しんでいただければ幸いです♪( ´▽｀) (2016年12月8日 4時) (レス) id: 5db05a964a (このIDを非表示/違反報告)
kei(プロフ) - 待っていました(^-^) 仕事行く前の朝のひととき。慌ただしい気持ちが静かになりました。切ないけど大好きなお話です。また楽しみにしています！ (2016年12月7日 7時) (レス) id: c3893fc157 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：奈緒
| 作成日時：2015年1月25日 20時
