5にん 6 (ページ44)

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健人side

厳しすぎるかなと思いつつ、全部してほしくないことだったから。悪いことを止めれないことも、せめてそこから逃げれないことも。自分の意思を持たず雰囲気に流されたことも。

それに何より、やってないことをやったって認めたこと。それのせいで自分が窮地に立たされてること。自分で気付けないことも。

「悪いことをしてる人は止めるか、せめて逃げなさい」
バチィィィィィン！！！
「！！っっ！んんん！！」

「自分の意思をもて。場の空気に流される人間になるな」
バチィィィィィン！！！
「はぁ！あぁぁぁ！！」

「やってないことをやったって認めるな。自分が苦しむことになる。」
バチィィィィィン！！！
「あぁぁぁぁ！！！んっ！」

「なんで厳しくされてるか考えろ」
バチィィィィィン！！！
「！！！」
もう何も言えずに崩れ落ちた聡を抱き止めてそのままソファに寝かせる。

風磨が用意しといてくれたクリームをたっぷり塗って冷やしタオルを置く。
「ごめっなさいっ！」
「うん。もうわかっただろ？自分で自分を意思をもって守りなさい」
「んっ！ごめっなさっ」

必死で謝るもう動けない聡の頭を撫でて背中を優しく叩いてやりながら先生に対しての怒りがわく。聡が泣き疲れてそのまま寝たから風磨が部屋に運んでくれた。

「兄貴、どうすんの？」
「取り敢えず学校明日行って話してくる。できれば文化祭、参加させてあげたいけどそれは無理かな」
「うん。サポートする」

次の日、起きてきた聡をぎゅっと抱き締めた。
「ごめっなさいっ」
「今日学校で話してくるから。反省文と行動記録はちゃんと書いといて。お昼は作っておいてある。大丈夫。どんな結果でも俺も風磨も聡を信じてる。」

不安そうに頷いて立ったままご飯食べてる。
「おはよー」
「おはよ。勝利、昨日はありがとね。」
「停学？」
「そ。停学の先輩として優しくしてやって」
「え？！勝利、停学なったことあったの？」
「...健人くん、言わないでよ」

2人が楽しそうにしてくれてて助かる。風磨とマリも降りてきて、マリはすぐに風磨の膝に乗って朝ごはん食べてる。
「マリ、自分の席で食べて」
声かけたらムスッとして絶対降りないってやってる。心配事がいっぱいだよ。マリの検査は来月。色々調べてる。

3人を送り出して、俺も仕事に行く前に聡の顔を覗き込んで話す。
「自分が悪かったとこはわかってるな？それを反省しろ。」
「うん。行ってらっしゃい」