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健人side

風磨の両親の発見日のことは微かに覚えてる。親父が遅くまで帰れないからって近くのご飯やさんだったかな。に預けられた。

珍しく深刻そうな顔で帰ってきて、風磨を抱き締めて寝るときもずっと抱き締めてた。その日が、そういう日だったんだって死ぬ直前に聞かされた。

風磨には、20歳になってから話すつもりだったって言ってた。崖にもお墓にも毎年連れていってたけど、話しはしなかったらしい。風磨も何となく察してるんじゃないかって言ってた。

始めて俺が、親父にかわって崖に連れて行った日はめちゃくちゃ怖かった。まだ18だったし、風磨もめちゃくちゃ反抗期で。腕を離したらどこかに行ってしまいそうで、必死で風磨の腕を握りしめて手を合わせた。

それ以来、毎年風磨の腕を掴む。どこにも行って欲しくなくて、生きてて欲しくて。今年ももちろん。
「生きますよ。俺にはこの人と、守るべき弟が3人もいるんで。」
声かけてくれたおじさんに、風磨が返す。

「そうか。頑張れよ。」
ただ応援してくれて、お礼を言ってそのまま車に乗る。
「風磨、何食べに行く?」
「何にしよう。兄貴は?何食べたい?」
「えー焼き肉」

毎年、風磨は俺に何食べたいって聞いてくる。風磨の食べたいもの食べさせてあげたいけど、風磨は俺に食べて欲しいらしいから、気持ちを受け取っとく。

「昼から焼き肉?あーあるよ。ここにしよ。」
調べてくれて道案内してもらって着いた。
「うめー」
「マリも早く肉がっつり食えるようになんないかなぁ」
「マリは中々だな。少食だから焼き肉なんてこれないわ。」
「勝利と聡、今度焼き肉連れてってあげよ。」
「兄貴が行きなよ。俺、マリのこと見とくから」

お昼食べてたらもう普通に3人の話ばっかりするようになる。
「...兄貴、グループLINE見て」
言われて見たら、あーあー喧嘩?
「聡とマリ、また喧嘩してるって。勝利が助けてって」
「ったく今日くらいは大人しくしてろよなぁ」
「帰ってから説教?」
「手出してたらお仕置きもな。」

しっかり食べて、風磨が勝利に電話して状況聞いてくれてるから運転する。
「マリ、聡に押されて机の角に頭打ったって。」
「勝利に病院連れてくように言って。このまま病院行こ。」
「聡は?」
「部屋閉じ込めといてって伝えて」

本当に、聡は懲りないな。マリ、大丈夫なのかな。取り敢えず病院に向かう。絶対大騒ぎだもん。勝利困ってるだろうな。

3→←聡・マリ



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作者名:ゆう | 作成日時:2022年2月10日 1時

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