5にん 6 (ページ23)

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聡side

家帰ってすぐ健人くんにお金渡して、マリが来たから2人で可愛がってた。健人くんに帰り道に名前はだめって言われてつけなかったけど。

健人くんと風磨くんは複雑な顔してるし、勝利はすぐ上行っちゃった。別に1週間なんだからいいじゃん。それで、毎日可愛がってマリと2人で散歩も行ってご飯もあげてた。

健人くんと風磨くんと勝利は大抵俺らが遊んでる時は上にいて、下りてこなかった。たまに、勝利が撫でてるのは見たけど、2人はほんとに関わろうとしなかった。6日目、健人くんに呼ばれた。

「聡、獣医さんから引き取り手見つかったって連絡来たよ。明日獣医さんとこ10時に連れてってそれでお別れだから。」
「...」
「聡、わかった？」
健人くんにちょっと厳しめに言われて頷いたけど、涙が出そうだった。

保健所に行くよりいいけど、お別れなんだって。夜はずっと一緒にいて、リビングに布団敷いて一緒に寝た。次の日起きたら、マリにお別れなのって聞かれてまた泣きそうになる。

「今日でお別れだって。散歩行こ？」
「うん！」
2人で散歩に連れていく。...このまま10時までどっか行けば引き渡さなくて済むんじゃないかって安易な考えが思い付いた。

「マリーお別れしたくないよね？」
「うん」
「ちょっと怒られてもいい？」
「ぇ...それはやだ」
「ちょっとだけだよ？それでお別れしなくて済むならいいでしょ？」
「わかった」

それで2人で10時までちょっとだけ離れた公園で座ってることにした。あと5分だな。ち心臓がドキドキしてきた時、聞き覚えのある声が聞こえた。
「聡！来なさい！」
振り向いたら健人くんが怒って立ってる。

「なんでっ！」
「どうせそんなことだろうと思った。早く行くよ。」
「やだっ！やだぁ！飼わして！1週間できたじゃん！全部自分でするからっ」
「だめ。もう約束してある。早く来い！」
健人くんに腕引かれて連れてかれる。分かってるけどっ！

「すみません。居ました。」
獣医さんに着いたら若い夫婦が待ってた。
「聡くん、渡して」
「やだ！絶対離さない！」
「聡、早くしろ！」
健人くんに怒られるし、マリは泣いてるし先生と夫婦は困ってる。

結局ほぼ無理矢理健人くんに渡させられて、泣いたけどダメだった。先生に慰められて、引き取り手の夫婦に大切にするからって何回も言われたけどっ！
「やだっ」
「聡、いい加減にしろ。お願いしますって言いなさい！」
「...やだ！」