5にん 6 (ページ19)

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風磨side

紙挟まれてふるふる震えながら力入れてる勝利見てた。そりゃそうだけど落としてるし、落とす度に兄貴の叱責と平手が飛ぶ。30分終わって、終わりだと思ったのにまだ膝乗せるって。

時間にしたら1時間近く反省し続けてんのにまだ叩くの？！この真っ赤なお尻にっ？！って思って止めようとしたけど絶対膝乗せるって。

それで勝利が号泣してひたすらごめんなさいって謝りながら膝に乗ったと思ったら冷やしタオル取ってきてだってさ。なーんだ。ホッとした。

来れるか来れないかってことだったんだ。来れなかったら多分もっと叩かれてた。それこそ5分じゃ終わらないくらい。慌ててタオル置いてあげて、5分は抱き締めはしないらしいから手を握っててあげる。

兄貴は相変わらず5分間こんこんと説教続けてるし。砂時計が落ちきった。
「よし。抱っこしてあげるけどその前に最後ね。3000円持っといで。」
抱き起こしつつ勝利の顔見て言ったら走って取りに行った。

「ごめっなさい！」
「うん。おいで。」
3000円、勝利から受け取ってそのまま抱っこしてあげてる。勝利も素直にめちゃくちゃしがみついてるし。

優しく背中叩きながら話しかけてる。
「聡の誕生日何する？」
「...わかっない」
「一緒にパーティー料理作ろっか。それでプレゼントは風磨に任せよ。」
「んっ！」

「えぇ...兄貴お金貸して。バイト代今使えない」
「はい」
そのまま3000円渡してくる。どーせ兄貴が本命のプレゼント買っといてくれるからテキトーなもん買っとこ。

「勝利、お金が足りないとか、そうならないのが1番だけど、こうやって素直に貸してって言えば貸すから。できる？」
「うん」

なに。俺がバイト代使いきったことばれてんの？奨学金の返済と貯金で毎月ほとんど残んないんだけど、今月はちょっと友達とのご飯多かったから無いんだよね。

兄貴こえー。なんか全部バレてる気がすんだよな。
しばらく勝利を甘やかしたあと、聡とマリを呼んでご飯を食べる。
「健人くん、これやだ」
「たべな。1粒だけ。」
マリが黒豆が嫌でほぼ丸飲みしてお茶で流し込んでる。

その姿見て兄貴がすごい顔曇らせてる。気にしてんだよな兄貴。検査って言われてからマリが周りと比べて幼くて成長しないこと。変な方向に暴走しないといいけど。

「風磨くん、俺もこれ嫌。」
この偏食兄弟め。聡まで言い出した。
「1粒食べろ。」
こっちはちゃんと噛んで嫌な顔して食べた。