5にん 6 (ページ1)

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勝利ページ1

勝利side

健人くんにマリのご飯ちょっとずつ増やしてくれって頼まれた。圧倒的な食の細さで、しかもお菓子ばっかり食べるし偏食でただでさえかなり手を焼いてんのに。頑張るけどムズいよ！

「マリ、聡、ご飯だよー」
「はーい！」
2人ともすぐ来て食卓に着く。マリも食べてくれてたんだけど、半分くらいでもういいって。

「マリー後もうちょっと食べれない？」
「健人くんも風磨くんもいないからいいじゃんっ」
「だーめ！マリ、クラスでも背ちっちゃいでしょ？ちゃんと食べて大きくなってくれないと困るの。」

「でもぉ！多すぎだもん」
「はぁ...今日だけだよ。次からだめ。」
仕方ないよ。絶対食べてくれなそうだもん。でも健人くん、結果出た日から毎日体重測らせてるからなぁ...。その内バレそう。

「ただいまー」
「おかえり。ご飯できてるよー」
「ありがと。マリ、食べた？」
「半分ね。結局前と同じくらいしか食べてない。」
「マリ！来なさい！」

すぐ呼んでほぼ無理矢理もう1口だけ口に入れてる。可哀想に。まぁそれで食べて飲み込めてるから仕方ないか。

それから2週間、健人くんか風磨くんかいる日はちょっと怒られながら頑張って前よりは多く食べてたけどいない日はむしろ前より少なくなった。俺は無理に食べさすこともできないし。報告するのも可哀想であんまちゃんとしてなかった。

でね、体重で絶対ばれちゃうから、体重計をちょっと弄って若干増えてる感じに細工しといた。マリにも内緒でね。
「おー増えてるじゃん。頑張ってんだ」
「...うん？」
マリがなんであんま食べてないのに増えてんだろって不思議そうな顔してるけど。まぁ褒められるし、満足して特に何も言ってなかった。

だから俺も調子に乗ってあんま食べさせてないのに順調に増えてるのを演出してた。
「マリ、ちょっと抱っこさせて」
体重計見て増えてる...って呟きながら健人くんが言ってる。ヤバイかな。故障ってことにしよ。

「うーん。ほんとにそんなに増えてんのかな。全然むしろ前より軽い気がするけど。」
「...」
健人くんに抱っこされながらリビングに来てめっちゃ聞かれてる。
「ねぇ、正直に答えて。怒んないから。俺とか風磨がいない時もさ、ちゃんと完食してる？嘘ついたら砂時計だよ。」

「...食べてないっ」
「はぁぁぁ。どんくらい食べてんの？」
「半分いかないくらい」
あーやばい。体重計のことばれなくても報告してないことで怒られそう。