5にん 5

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健人side

勝利と話してビックリした。覚えてたんだ？
「聡が悪くても悪くなくても、そんな小さい頃の話、今の聡には関係ないもん。」
「あ、聡は悪くないんだよ。」

ちゃんと勝利にも聡は悪くないってこと伝えた。別にどっちでも良さそうだったけど。
「勝利、勝利もだよ。勝利が悪い訳じゃない。お前のお母さんたちが亡くなったのは。いつも現場で謝ってるでしょ？」
「...うん。わかってる。わかってるけど、謝りたいだけ。」
「そっか。なら好きにしな。」

聡のことを受け止めてくれてることと、全部包み込んでくれる器の大きさに感謝しながら勝利にもわかってほしかった。自分は悪くないんだってこと。

いつのまにか、色んなことを包み込める大人になってたんだな。勝利も。抱き締めてやったら素直に抱き締められてるし。

「下行こ。」
勝利に言われて2人で下りたら聡が風磨に抱っこされてるからマリが拗ねてる。
「僕もぉ！ねぇ！風磨くん！聡ちゃんどいて！」
「だから後でな」
「ずっとじゃん！もういいでしょ！」

「マリ、おいで」
声かけてあげたらすぐに飛び付いてきた。みんな可愛いな。
「マリもかわいいよー大丈夫。な？」

ソファに風磨と聡を真ん中に勝利が座ったからマリを抱っこして座る。
「5人でいたら大丈夫。守るよ。」
「うん」
みんなが安心した顔で夜が過ぎていく。

聡はそれから、ゆっくり咀嚼していってくれて、しばらくして、会えるなら20歳になったら会わせてって言ってきた。だからちゃんと約束したし。

勝利は相変わらず。あんな良いこと言って大人だなぁと思ったのに怒られることばっかしてる。なんで？

マリは...究極の甘えん坊。スキンシップに飢えてる。これが親との関係の薄さというか、幼少期に愛されてこなかったからだって知るのはもうちょっと後の話。

風磨はちゃんといつも見守ってくれてる。相変わらずマリのこと溺愛してるし、勝利と聡のこともめちゃくちゃ可愛がってる。たまに俺が怒りすぎたときはフォローしてくれるし。

そう言えば勝利、聡に言ったんだって。聡が、誰の子でも俺には関係ないし、聡のことが好きだよって。聡はビックリしたらしいけどなんかすっごい仲良くなってた。元々仲はいいけどさ。おかげでマリが若干拗ねて大変だったんだから。

過去のことが書いた色々が入った引き出しはやめた。外の貸金庫にいれることにした。聡みたいな悪さする子が勝手にまた鍵盗んで見たら大変だし。まだまだ色んな秘密があるんだから。

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