5にん 5

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勝利side

聡が切ったのがショックすぎて風磨くんが抱き締めてくれてるの見て、慌ててカッターを俺の部屋に持っていった。もう傷つけないように。健人くんも来てくれて外だされたんだけど。

マリが帰ってきたから2人でリビングにいたら...なんか微かにお仕置きの音が聞こえる。なんで？！聡が傷付いて悲しくて辛くてどうしようもなかったから切ったんだろうに。

お仕置きなんてされる筋合いないでしょ！だから下りてきた健人くんに怒って聡にも怒ったら聡は素直にごめんって。なのに健人くん、俺悪くない？！いっつもそれ言ったら怒るじゃん！

絶対大して聡の話聞かずに傷付けたことに対して怒ったんだって思って健人くんのほっぺぎゅってつねっといた。
「いだいいだい！勝利！はなへ！」
「俺悪くないはなしでしょ！絶対悪い！」
「悪くないって！」
「いっつもそれ言ったら俺のお仕置き増えてる！」
「...勝利、ホントに兄貴悪くないから」

風磨くんが面白がってしばらく止めてこなかったんだけど、そう言われて慌てて離す。
「兄貴はちゃんと聡の話聞いて、納得させて、一番の味方でいることも伝えて、それから叱ったんだから。」
「そうだぞ？いきなり人のほっぺたつねるなんて何考えてんだ？」
「あ、え、ごめんなさいっ」

だって健人くん、傷口見たら絶対激怒して話はあと！って怒って叩きそうじゃん。日頃の行いだよ。
「しょーりー来い」
えぇ！お仕置きされる？聡を下ろして風磨くんに渡した健人くんに怖い顔で呼ばれてすごすご行く。

「ありがとな。聡のこと心配してくれて。勝利が見つけてくれなかったらもっと大変なことになってたかもだった。」
「え」
「怖かっただろ？カッター見て。カッター渡しな？どこにあんの？」
優しくそっと抱き締めてくれて泣きそうになった。怖かったもん。

部屋行ったらついてきてカッター受け取ってくれる。
「よし。勝利、確認なんだけど聡の昔の話覚えてる？」
「え？覚えてるよ？事件のことでしょ？」
「...覚えてたの？」

「うん。うっすらした記憶だったんだけど、何年か前にネットで調べてみてあ、これだぁって」
「そっか。そうなんだ。」
「聡はお母さん生きてて会えるんでしょ？いいじゃん会わせてあげれば。」
「え？」
「聡が会いたいなら会えばいいじゃん。俺だったら会いたいよ？殺人犯でも。」
「勝利、ありがとな。お前、いいやつだな。」

当然じゃん。聡は聡だし。

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