5にん 24

8 ページ34

勝利side

逃げちゃって、行くとこなくて取り敢えず健人くんの会社きてみた。座ってたら出てきてくれて、話聞いてもらって、大丈夫って言ってくれた。

ちょっと怒られたけど。それでね、お風呂入って風磨くんとマリと喋ってたの。でも、健人くん全然降りてこない。風磨くんが見に行ったら、まだかかりそうって。

「俺、見てきていいかな？」
「ん〜ノックして勝利って言っていいよって言われたらな。勝手に覗いたら怒られるぞ」
「ぅん」

好奇心とかじゃない。聡、あんまりにも厳しく怒られてたら可哀想じゃん。まぁ多少は怒られろって気持ちだけど。

「やだー！やだぁぁ！ごめんなさいぃ！！」
健人くんの部屋から聡の声すごい聞こえてんだけど。
コンコン…コンコン
何回かノックしても返事ない。ってか多分聞こえてない。

「健人くん！勝利！」
大声でドアに向かって言ってみたらね、
ガチャ
「どした？」
「うわあぁぁぁん！ごめんなざいー！」
「いや、もういいから許してあげてって言いにきた…」
「はぁ…入りな」

促されて入ったらね、聡のお尻真っ赤。それに、こんなに真っ赤なのにまだコーナータイム？？
「定規で仕上がって言ってんのに取りに行かないから、取りに行けるまでコーナータイムしてるとこ」
「やだぁっあー！ごめんなざいぃ！」

「健人くん、もういいよ。ちょっとだけ喋っていい？」
「…いいよ」
おしり出したまま壁向いて立って号泣してる聡のこと、後ろからぎゅって抱きしめる。

「ふぇっ？！」
「聡…ごめんね。俺がなんかチクったみたいになって」
「ごめっなざっい！俺っがぁ！俺っ…やなっこと！ひっく！ぐずっ…」
「いいよ。もう。俺ももう分かったし。みんな離れ離れにならないって。でも揶揄われてムッとしちゃった」
「ごめっなっさい！」

「仲直りしよ」
「ひっう！ひっぐぅ！」
聡のこと壁側からこっち向けてぎゅーって抱きしめた。俺はもう許したもん。傷付いちゃったけど、健人くんたちに甘やかしてもらって、それにこんだけ厳しく叱るって事はそんだけ俺のこと大事にしてくれてるって事だし。

「勝利、いいのね？」
「うん」
「聡、定規3回な」
「え？！」
俺がびっくりして声上げたけど、健人くんあっさり聡の腰捕まえて定規振り上げた。

ビシィイィ！ビシィイィ！ビシィイィ！
「ぎゃあっぁっあーん！」
「よし。頑張ったな。下で冷やそ」
お、鬼だ…健人くん。

9→←7

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す