5にん 22

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風磨side

地獄だったよ。病院着いた時点からギャン泣きのマリ抱っこして無理矢理押さえて診察受けて、熱高すぎるし肺炎とかなったら困るから早めに下げようって言われて、点滴ってなったけどね…

「はい針はいるよー」
「ぎゃぁぁぁぁぁ！！！！いやーーー！！！」
「マリ、大丈夫。痛くない」
宥めたけど一瞬で無理矢理点滴の針抜いちゃって、そしたらまたその痛さで泣くのよ。

キリがないから、最近はもうあんましないらしいけど筋注になった。お尻出して押さえて刺された瞬間、鼓膜破れたんじゃないかって悲鳴上げながら頑張ってやっと終わった。

マジで疲れた！！泣き続けるマリ抱っこして帰ったら兄貴いたから一旦任せてリビング行ったら、勝利がご飯準備してくれた。

「お疲れ様」
「ありがとな。マジ疲れたわー」
「俺、マリの分のお粥炊くわ。健人くんから炊いといてってLINEきた」
「ごめんな色々」
　こういう時の勝利は頼りになる。

しばらくして、兄貴がマリのお粥取りに出てきた。
「聡が薬飲まないってイヤイヤ期してる」
「あー…もうアイス使っちゃったしな」
「うん。ま、どうしてもなら座薬するからその時は手伝って」
「りょーかい」

兄貴が行って、しばらくして座薬するから来てって言われた。
「兄貴」
「あ、風磨。座薬どこ？」
「え？そこの袋入ってなかった？」
「無かったけど…」

おかしいな。マリ連れて帰ってきた時に袋のまま置いたつもりだったんだけど…兄貴と2人色々探してたらさ、聡がずっと布団から目だけ出してるのが気になった。

「聡？知らない？」
「知らないもん…薬いらないもん」
「そっかぁ」
兄貴もなんとなくピンときてるっぽい。

「なぁ風磨、座薬ないから今から2人とも病院連れてこうか」
「そうだな。お尻に注射してもらお」
「あ〜痛いだろうなぁ」
「やだぁ…」
「イヤぁ」

「聡、マリ、座薬出しなさい」
「ん〜ちゅーしゃしない？」
「うん。注射はない」
「ん…」

聡が布団の下に手入れて座薬出した。ほんっと…この子達は。
「2人ともダメだよ。薬嫌でもちゃんとやらないとよくならない。わかるな？」
「ん〜でもっヤダァ」
「ひくっ！ひっくぅ…」

聡はポロポロ泣きながら訴えてくるしマリはもうボロボロ泣くし。可哀想だけど仕方ないな。
「はぁ…聡からね。風磨」
言われたから泣いてる聡の上乗って動かれないように固定してから姿勢作る。めっちゃ抵抗してくるけど。

「聡〜頑張るよ」
「うぇっ…ひぐぅっ！！」

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