5にん 21

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健人side

ホッとしすぎたけど、授業中にお菓子…？それに叱られて廊下で泣く？赤ちゃんじゃなくて中学生なんだぞ？

でもその後のマリが不登校の子に優しくしてたっての聞いて、ちょっと嬉しすぎて許してやろうか…って思ったけど。まぁ軽くお説教はしとくか。何回も注意してきたことだし。

褒めてって顔で飛び乗ってきたマリのことぎゅーって抱っこする。
「マリ、まずは偉かったね。お友達に優しくできて偉い」
「へへんっ」
「それはほんっとにめちゃくちゃ褒めるし、今度ご褒美に美味しいもの食べに行こうな」
「うんっ！！」

「で、マリちゃん？授業中にお菓子って何？」
「っ！！」
「学校にお菓子持っていっていいと思ってるの？」
「ちがっ！」
声色変えて言ったら、さっきまでぎゅーってしがみついてたのに離れようとしてくる。絶対逃がさないけど。

「俺、許すと思う？」
「…思うっ…健人くん優しい子だもんね？健人くん、人に優しくできるのいいことって今言ってた…」
「健人くんは優しいよ？悪い子には厳しいだけで。授業中にお菓子食べるのは悪い子がすることだなぁ」

「ご…ごめんなさいっ」
ビビったのかすぐ謝ってくる。相変わらず膝から降りようとモゾモゾ頑張ってるけど。
「うん。それに自分が悪いことして叱られて、廊下で泣くの？素直にごめんなさいして先生の話聞きなさい」

「だって…お菓子とられたもん」
「お菓子食べちゃダメだから取られたんでしょ？誰が悪い？」
「ん〜ぼくぅ」
もう下唇突き出して眉寄せて泣きそうな顔になってる。

「うん。最後に一つ、分からないことがあったら先生にでも友達にでも聞きなさい。素直に聞けるのがマリのいいとこなんだから」
「わかったぁ〜おろして〜」

「反省終わったらおろしてあげる。お尻痛くするよ」
「やっやだぁ…」
「悪い事したんだから仕方ない。20回な。抱っこのままならヘアブラシとかじゃないと叩けないけどいいんだな？」
「やだぁっ！！」

「じゃあお尻上にして膝乗って。いつもの姿勢ね」
一回下ろしたら逃げそうだから膝の上からは降りれないように押さえつつ姿勢変えさせる。めっちゃ嫌がってるけど、仕方ないね。

「ねぇやだぁ…ぼくっやだぁ…」
「やだったら悪いことしない！」
「やだよぉ！ふーまくんたすけてぇ！」
「手握っててやるから。な？」

甘すぎ。20回しか叩かないんだから普通に耐えさせるべきだわ…そう思いつつ、マリが不登校の子に優しくできた事実が嬉しすぎて俺も黙認しちゃう。

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