5にん 21

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風磨side

「ただいま」
一応言いながら入るけど、すぐ分かる。今日は誰が泣かされてんのかなぁ。この泣き声は下2人だな。リビング入ったら、マリが泣きながら壁向いて立ってて聡がお尻叩かれてた。

でも気になるのはさ、庭で立ち尽くしてる勝利だよ。3人揃ってか。
「お、風磨おかえり」
「ただいま」
「後ちょっとで終わるから。ホットプレート出しといて？」

言われたからキッチン入ったらさ、餃子だな。勝利が作ったやつ。でも明らかに勝利のお仕置き終わってないけど。
「うわあぁぁぁんっ！ごめんなさぃぃっ！もっしないー！」
「最後な」
パアァァァァン！

かなり振り上げた平手が聡のお尻を打って、終わりっぽい。
「マリの横、並んで立っときなさい」
「ひぐっ！うぇぇぇんっ！ひっくっ！」

「風磨、ちょっと頼める？」
「何？ってか何したの？」
「あー、花火。庭でね」
「それでこんな怒ったの？花火くらい…」
「そもそもライター使うの禁止してるし、後処理もできてなかったし、子どもだけの花火がいいわけないだろ」

なんで俺ちょっと怒られたの？まぁいいけどさ。てかライターって兄貴の部屋に回収されてたなそういえば。
「線香持ってきて」
「あーはいはい」

グズッグズで泣いてる2人がちょっと可哀想だけど、さすがに一本だと思うよ。仏壇から持ってって兄貴に渡したらありがとって。勝利が庭で目見開いてる。

「2人ともこっち向いて、俺のとこまでおいで」
兄貴がなぜか庭から見えない食卓の方に2人を呼んで立たせてる。
「2人ともね、ライター使うのは俺か風磨がいる時だけでしょ？火使って危ないことしたから、線香お尻に当てようか？」

「いやだぁっ！ごべっなざー！」
「やぁぁぁ！！」
「嫌でしょ。次勝手にライター使ったらするよ。今日は代わりに痛いとこ抓って終わり。マリから」
「いだいぃー！！！」

マリのお尻に手回して兄貴がキュってつねり上げた。あれは痛い。けど、まぁ線香よりはマシだな。聡も同じようにつねり上げられて泣いて終わったな。

「クリーム塗るよ？」
2人揃って号泣して兄貴に抱っこされてるから横からクリーム塗って冷やしタオル当ててやる。てかさ、さっきから勝利がリビングの窓にべったり張り付いて聡とマリの様子見ようとしてる。

「兄貴、勝利は？」
「あーどんな感じ？」
「必死で何されてるか見ようとしてる」
「ぷっ！何それ。めっちゃ面白いじゃん」
「いや、笑ってる場合じゃなくてさ」

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