5にん 21

マリ ページ29

聡side

「かくれんぼしよー！」
「いいけど」
「僕隠れるから探してねー！！」
マリってね、なんかいい隠れ場所見つけたら、絶対かくれんぼしよって誘ってくんの。

新しい隠れ場所見つけたらしいよ。ま、今暇だし付き合ってやるか。
「そーちゃーーん！！いーよー！！」
どっかから叫んでるわ。結構遠いな？2階かな…

マリの部屋見て、まぁいないよね〜どこだろなぁ。俺の部屋も勝利の部屋もいなかったし。風磨くんの部屋、見てもいいけど変にいじったら怒られるしなぁ…そーっと入って見てみたけどいない。

あれ？今回上手だな。いつも割とすぐ見つかるんだけど…まさか健人くんの部屋？でもそれは怒られるしないと思うけど。恐る恐る開けてみる。
「マリ〜いるなら出といで？俺入って怒られたくないもん。今出てきたら健人くんに言わないよ〜」

あれ？いなさそう。どこだろー？2階全部探しちゃったけどなぁ…
「そちゃ〜」
めっちゃ近くで声聞こえるけど…

「マリー？どこー？」
「ここー！！」
「かくれんぼ負けでいいから出てきなー？」
「降りれないー！そーちゃーん！」

降りれない？？声聞こえるマリの部屋のベランダから上見たらね、屋根の上で泣きそうな顔してるマリ…まじかぁ
「マリ」
「そちゃ！助けて〜」

屋根の上登ったら怒られるって知らないっけ？俺、昔勝利と登ったことあんだよね。健人くんに怒られたんだけど。しかもうちの屋根、登るのは割と簡単なのに降りるのめっちゃ難しいんだよ。

あの時は風磨くんと健人くん二人掛かりで下ろしてもらったっけ…てことはもちろん俺1人で下ろしてあげれないのよ。

「そちゃん降ろしてぇ」
「健人くん呼んでくるね」
「早くぅ」
怒られるって知らなそうだし、言わずに呼ぼ。怒られるって知ったら勝手に無理矢理降りて怪我しそう。

「健人くーん！ちょっと来てー！！」
「なにー？今忙しい！後じゃだめー？」
「俺はいいけどマリがだめー！屋根登ったー！」
「え？！」

すぐ来てくれて、ぐってほっぺた掴まれた。
「昔叱らなかったか？」
「ちがっ…俺悪くないよ？かくれんぼしよっていつものやつで勝手に登ったんだもん」
「はぁ…」

ため息ついてベランダ出たよ。
「あー！健人くん助けてぇ！」
「ったく…何で屋根なんて登るのよ」
「だってかくれんぼ見つからないじゃん！」

「ほら足下ろせる？俺の肩に足乗っけていいから」
「うん…怖いよぉ」
「聡、足支えてやって」
「ん！」

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