5にん 21

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聡side

いいこと思いついちゃった…！お仕置きされたら抱っこしてもらえるんだっ！どんなに少なくてもお仕置きの後は絶対抱っこある…

何回かね、あの日健人くんに謝らなくて叱られて以来、健人くんの膝、普通に乗ろうとしたけどタイミングが悪くて、いつも全部後にしてって言われたの。

もう卒業なんだっ…普通の抱っこはもうしてもらえないんだっ…て悲しくなった。だから、唯一抱っこしてもらえるお仕置きされてしてもらおうって…

それでね、いろんなちっさい悪戯して、この程度ならお仕置き軽いってのはもう長い間健人くんに育てられてきたからよくわかってるし、上手くやってた。

たまに失敗してめちゃくちゃ厳しくされた時もあったけど、それでもうまーくやってなんだかんだ毎日抱っこしてもらうのに成功してた。

だから今日も…スプーン床に軽く投げて健人くんの様子伺う。ちょっと空気がぴりついて、拾えるまで動くな何て言われて、涙出そうになったし、これ、拾ったらお仕置きなしかなって不安になった。

だけど…うんっ今日も成功しそう。
「食器は投げない。当たり前のことだぞ」
パアァァァン！
健人くんに腰抱え込まれて、1発叩かれて、すぐ膝乗ろうとした。

なのに！！

「聡、今日から聡はお仕置きの後の抱っこはなし。何でこうされるか自分で説明しに来れたら今まで通りに戻すから考えなさい」
「っ！！なっで！なんで！！」
「自分の胸に手当ててよく考えなさい」

もうショックすぎて、そんなの嘘だって思って必死で健人くん座らせて乗ろうとした。
「なんでっ！！！」
「考えなさい」
「ひっく！なんでえぇぇぇ！！…うぁぁぁぁん！」

健人くんは全く相手にしてくれないしっ！
「聡、おいで」
風磨くんが声かけてくれて！慌てて風磨くんの膝に乗ろうとした。

「抱っこはダメ。ぎゅーならしてあげる」
「うわあぁぁぁぁん！！！」
「ほら。まずは落ち着こ。な？」
風磨くんに抱きしめられて、もういっぱい泣いた。

「ひっく…ひぐぅっ！うっうっうぅっ…」
「よしよし」
「うぇっ！うっ…ひっくぅ…」
「聡〜」

抱っこされるためだけに、お仕置きされるようにしたのにしてもらえなかったっ！なんでっ！！
「よしよし…ちょっと落ち着いたな」
「ひぐっ…なっで…きらっわれったっ」
「兄貴」
「うん。聡、嫌いじゃない。大好きだよ。だけど、聡が毎日悪戯するのに困ってる」

「ひぐっ…ひっくぅ！」

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