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健人side
メール見てビックリした。俺、明日仕事だけど?そういえばこの時期なのに勝利から面談の話聞いてなかったわ。慌てて先生に電話したら代えてくれるって。
勝利も本当に忘れてたっぽいし。ならちょっと叱るだけで叩いたりはしない。必要ないし。でも銅も最近悩んでんだよなぁ。それに、進路の話はいっつもはぐらかされるし。多分メディア系なんだろうけど。こないだパンフレット部屋にあったし。
それで面談の日、学校行ったら校門に明らかにしょんぼりしてる勝利がいた。何したのよ。
「勝利、面談でしょ?どこ行けばいいの。」
「健人くん!あのね!えーっと先謝っとく。ごめんなさい!」
「何が?」
聞いても答えないからそのまま面談室。先生がピリピリしてる。ヤバイの?勝利の方見ても下向いてるし。一昨日は何もないって言ってたのに。
「成績とかの話する前にですね、まず勝利くんが一昨日の夜バイト応募してたんですけどご存知でしたか?」
「え?!」
なんで?しかも高校バイト禁止でしょ?それにこんな時期に。
「やっぱり知らなかったんですね。この地域のコンビニにはうちの生徒がバイト応募したら学校に通知が来るようになってるんです。」
「はぁ」
「私もビックリしました。なんでって」
「勝利?なんで?受験やめるの?」
「...わかっない」
「そっか。分かんないか。」
泣きそうになりながら答えるし、めっちゃ勉強頑張ってたの知ってたから叱れないし。一昨日の夜って...あ!
「もしかしてお金気にしてるの?」
「...」
そうだな。
「前も言ったけど、お金は本当に大丈夫。勝利含めて3人が大学行けるくらいはあるよ。」
「でもっ迷惑じゃん。」
「迷惑じゃないよ。お前らが幸せになるのが俺の幸せで夢なんだから。」
「ぅん。知ってるけどっ」
「受験してもしなくてもいいけど、バイトは駄目だよ。学校のルールでしょ?」
「ん」
「じゃあ家でね。先生、すみませんでした。」
「いえいえ。じゃあ進路の話していきましょうか」
それで進路の話。勝利は家ではあんまりこういう話してくれないから、ここで聞き出そうと思ってた。成績は悪くないじゃん。別に行ける大学いっぱいある。就職ってやりたいことあるわけでもなさそうだし。
「ボーッと大学行くくらいなら、就職してお金稼いで家族支えたいって言ってましたよ。この間。」
先生に言われて、勝利は言って欲しくなさそうだったけど正直助かる。そうかぁ...。
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作者名:ゆう | 作成日時:2022年2月1日 14時