聡・マリ ページ5
風磨side
今日から兄貴、出張なんだってさ。何回も行く前に3人に言い聞かせてた。絶対ダメなことするなって。勝利はほぼ無視してたけど聡もマリもわかった任せといてってさ。
「ただいま」
「おかえり」
「2人は?」
「上。なんかご飯まで呼ばないでってさ」
「勝利は偉いな。手伝うわ。」
最近俺が帰れる時間が遅くてほぼ毎日ご飯担当勝利だから申し訳なくて手伝ってたら上からなんかすごい音が聞こえてきた。勝利と顔見合わせて、2人で見に行く。
ん?兄貴の部屋だ。全く何してんだよ。
ガチャ
「何し...はぁ?」
兄貴の部屋のクローゼットの中に2人が慌てて隠れた。クローゼットを開けて2人に声をかける。
「何してんの」
「...ご飯まで呼ばないでって言ったじゃん!」
俺が聡の腕を取って勝利がマリを掴んで引っ張り出す。
「兄貴の部屋勝手に入っていいんだっけ?」
「だめだけどぉ」
「何してたの?」
「アルバム...探してた」
「アルバム?なんの。」
「マリが学校で赤ちゃんの頃の写真がいるんだって。それで、健人くんなら持ってないかなって思って...」
赤ちゃんかぁ...。持ってんのかな。小1の頃の写真ならあるけど。俺的にはあれも十分赤ちゃんなんだけどな。
「健人くん、持ってるよ。」
「え?」
勝利が急に言い出すからビックリした。俺も見たことないのに。
「昔健人くんに叱られて。そういう話で。その時に見せてもらった。」
「あー。取り敢えず兄貴に電話して聞いてあげるからちょっと待って。」
「もしもし?」
「マリの赤ちゃんの頃の写真ある?」
「...なんで?あるけど」
「学校でいるんだって。」
「んー。マリにはあんまり見せたくないかな。てきとうに誤魔化せない?」
え?なんで。別に見せてやればいいじゃん。
「今マリいる?」
「いる」
「じゃあマリが聞こえないとこに移動して」
そう言われてよくわかんないけどとりあえず勝利に2人を見とくように頼んで部屋に入る。
「ん。なに?」
「マリはね、1枚だけある写真が破られてるの。お母さんに。だから見せたくない。なんでって言われても説明できないでしょ。」
「...そっか。」
「成人してから話すからなんか上手くできない?風磨とも話したでしょ?成人した時に。」
「あぁ。うん。頑張るわ。」
俺たちいろんな事情があって一緒に住んでるから。兄貴もなんだけど。親父が死ぬ時にノート渡されたらしい。いろんな事が書いてあるやつ。俺には俺のページしか見せてくれなかったけど。
50人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「ジャニーズ」関連の作品
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ゆう | 作成日時:2022年2月1日 14時