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健人side
帰ったらすんごい声。食べさせてって。勝利によればお昼食べてないらしいし。こーりゃ大変だ。部屋行ってすぐ叩き始めたけどお腹空いたってずっと言ってる。
逆手にとろうと思ってわざとごはんの前で食べさせないでいたら食べようとお箸持ち出した。自制心ってもんがないな。もう一回膝に乗せてしっかり今度は仮病の話を思い出させる。
パアァァァン!パアァァァン!パアァァァン!
「ごめっなさい!も!仮病なんてしないからぁ!」
パアァァァン!パアァァァン!パアァァァン!
パアァァァン!パアァァァン!パアァァァン!
「けっとくん!ごめっなさい!」
とにかく食べたくて必死だな。どっかで区切りつけなきゃだし。この辺で聞いて答えれたら終わりだな。
「マリ、仮病はなんでダメ?」
「...ひっく!めっわくかけるっ!心配もっ!」
「そう。それに次からお腹痛いって言っても信じてもらえないかもしれないよ?それが本当でも」
こくこく必死で頷いてくる。とにかく食べたいらしい。犬みたい。
「ごめっなさい!はんせっした!」
仕方ないか。
「よし。」
それだけ言ったらすぐにごはんに飛び付いて食べ始めた。呆れた。ほぼ犬じゃん。
「勝利、俺甘い?」
さっきから半笑いで俺とマリのこと見てた勝利に聞いてみた。
「甘すぎる。マリが可愛いのはわかるけど。犬みたいだね。」
「犬じゃないしぃ!」
「マリ、仮病はもう本当にダメ。本当に体調悪い時が分からなくなる。やめなさい。」
「うん」
「で、サボって何したかったの?」
「わかんないけど、サボってみたかっただけ」
ちょっと頭小突いといた。単純かよ。
もうお仕置きとしてご飯食べさせないのはやめよ。話にならないわ。お腹空いたしか言わなくなるし。満足そうに食べてるし。俺、今日はめちゃくちゃ厳しくしようと思って帰ってきたのに、結局全部で50くらいしか叩けてないし。
「健人くん!あのね!これね!」
もうケロッとして俺の膝乗ってきて嬉しそうに喋り始めるマリ。あ、冷やしてない。慌てて勝利に冷やしタオルもらって当てとく。いやー甘やかしすぎてるよな。分かってる。さすがにもうダメって。
「マリ、次叱られることしたら勝利や聡にするのと同じようにするよ。厳しく叩く。」
「...えぇ。なんでぇまだ中1だよ?」
「お前、甘えすぎだよ。俺も甘やかしすぎたし。」
「でもぉ!まだ子どもだもん」
「都合いい奴だな。とにかく次から厳しくするから。」
多分できないけど。
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作者名:ゆう | 作成日時:2022年2月1日 14時