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勝利 ページ1

勝利side

「今年の旅行、勝利どうする?」
「いつー?」
「まあ7月の終わりかなって感じだけど」

毎年恒例の夏休みの家族旅行、受験生は参加してもしなくても自由ってことになってんの。健人くんはしてたけど、風磨くんはしなかった。

勉強...捗ってないんだよね。だから頑張らなきゃなんだけど、みんなと旅行行くのめっちゃ好きだから行きたいし、絶対俺の時は行くって思ってた。

「勝利!行くよね?」
「しょおりがいないと面白くないもん〜」
聡とマリがめっちゃ誘ってきてくれて嬉しいんだけど悩むよぉ。健人くんたちに相談しよっかな。夜、みんなが自分の部屋入り出したからそのタイミングで健人くんの部屋行く。

コンコン
「いいよー」
「ねぇ、旅行のことなんだけどさ、わかんないの。どうしたらいい?」
「あー。悩んでんだよな。勉強の調子はどう?」
「あんまよくはない」
「リフレッシュって意味で行ってもいいし、行ったことで後悔したり、旅行先で焦るなら止めといたらいいと思うんだけど。」

健人くんが色々考えながら話してくれる。
「風磨にも相談する?俺より風磨の方が勉強には真面目だったし。」
「うん」
「風磨ー!ちょっと来て!」
健人くんが呼んだらすぐ来てくれて、話す。

「悩んでんのかぁ。俺は夏休み前の模試でここまでいけなかったら行かないって決めてやったよ?で、無理だったから行かなかったんだけど。」
「えぇ...ストイックだね」
「死ぬほど悔しくて兄貴に当たり散らして怒られたけどな。」
「覚えてる。自分に納得できなくて暴言吐いてたよね。」

そうだった。なんかめっちゃキレながら見送られて4人で大阪かどっか行ったの。旅行先でもずっと健人くんが気にしてて、神社があるたんびに拝んでたもん。

「...俺もそうしよっかな。風磨くんほどレベル高くないけど。」
「いいけど、取れても取れなくても怒ったりしないでねー。」
「わかってるよ。風磨くんじゃないんだから。」

それで、夏休み前の模試で苦手な数学の偏差値60いかなかったら行かないって決めて、めっちゃ勉強した。風磨くんも付き合ってくれていっぱい教えてくれたりしたし。

なんだけどさ、上手くいかないもんなんだよね。受けた瞬間にダメだって思ったもん。行ける行けないじゃなくて、努力したのにダメだったことがショックだった。

聡とマリに当たっちゃいそうだったからできるだけ話しかけないようにしてたら、帰ってきて俺の顔見た風磨くんが察して部屋に呼んでくれた。

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作者名:ゆう | 作成日時:2022年2月1日 14時

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