5にん 17

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健人side

やったことはめちゃくちゃ厳しく叱ることだけど、今は叱れなかった。ただお金が欲しいとかじゃない気がしたから。できるだけ穏やかに、聡を抱き締めてた。

しばらくして、泣きながらいっぱい話してくれた。思ってたこと、辛かったこと、してきたこと、聞かせてくれてホッとした。

でも、薬は分かんなかった。見せてもらったら精神安定剤か。1日１錠守って飲めてる。どうしよう。相談しに行かなきゃだな。カウンセリング、今のままサボらせ続けるわけにもいかないし。

それで、俺と一緒になら受けれるんじゃないかなって考えた。
「隣にいるから、話せること話してみない？」
「んっ！」
「うん。じゃあ明日行ってみよう」

今日ダメだったから、明日時間取って貰えることになってたし。聡も大分落ち着いてきた。
「聡、お金の話したいんだけど、今できる？無理なら後日でもいい」
「っごめんなさっい！できる...」

「うん。じゃあそこ正座しな？」
「ひっくっ！」
泣きながら正座してるし。厳しくしたくないな

「よし。お金いるけどない時はどうするんだっけ？」
「お小遣いちょっ！見せてっおねがいっするっ」
「そうだね。お小遣い帳ある？」
聞いたら机のとこからノート取って渡してくる。

開いたら...ちゃんとつけてんじゃん。
「ちゃんとつけてるじゃん。薬買うって言いたくなかった？」
「んっ！」
「そっか。聡、事情があったのは分かる。理解する。だけど、そこで取る行動がお金取るだったのが悲しい」

「ひっくっ！ごめっなさっ」
「反省しようね。10回だけ」
膝のせてお尻出す。ほんとはもう百叩きにするレベルのことなんだけどね。今の聡にはしんどいかなって。

パアァァァン！パアァァァン！パアァァァン！
パアァァァン！パアァァァン！パアァァァン！
「うっ！」
「終わりだよ。お金取らないで。勝手に部屋入らないで。守りなさい」
「んっ...！」

結局聡のことひたすら抱き締めてた。次の日、カウンセリングは一緒に受けた。不安そうな聡だったけど、優しく促してやったら昨日話してたこと話せて、整理して貰ってた。

薬は、やめようって。もしどうしても不安なら俺に言えば渡すからってことになった。聡も、ホッとしてるし。勝利より大分長くかかったけど、やっと聡もカウンセリング卒業できた。

「聡！おめでと！」
先にLINEで勝利に報告したら、夜ごはんめっちゃ豪華に作ってくれて、聡も安心してた。トラウマは、まだ怖さはあるけど呼吸乱れたりはしなくなった

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