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客室のない11階の隅の部屋。
今日から1ヶ月、ここがあたしの家。
｢隣俺だから何かあったら呼んで｣
確かに隣にも部屋がある。
｢従業員は皆住み込みですか？｣
｢いや、俺だけ｣
他の従業員には沖縄の訛りがあったが、
広斗さんには感じられない。
彼も東京から来たのだろうか。
何でここで働こうと思ったんだろ。
｢置いた？悪ぃんだけどさっきから内線震えっぱなしで
戻らなきゃなんねぇんだよ、今日は見てるだけでいいから｣
広斗さんの仕事が何かも説明されないうちに
ドタバタとフロアを駆け回る。
降りた先は、入ってきた1階で。
置いてかれないよう小走りで着いていくと、フロントで
あたふたしている女性の前に広斗さんがスっと立った。
｢どうされましたか？｣
歳は30代後半または40代前半に見える。
そのお客さんは広斗さんが視界に入ると
素早く手を動かした。
胸の前で、しっかり意思を持って動かされるそれは
中学生の時に見たことがあった。
｢あっ、広斗くん！ごめんねこの方
聴覚障害がおありらしいんだけど筆談が出来なくて…｣
｢あー、それで俺が呼ばれたんすね。了解っす｣
不安げな瞳を揺らすお客さんに対して、
広斗さんは優しく彼女に言葉を伝えた。
手話、という形で。
みるみる表情が柔らかくなり落ち着いてきた彼女は
一連の作業を済ませた後
別のスタッフと共に部屋に上がって行った。
｢広斗さんすご…｣
｢すごくねぇよ笑 外国語覚えるよりよっぽどいいからな｣
おいで、と手招きされてフロントに入れられる。
その動作だけで、緊張した。
｢Aにはフロントとベルアテンダントの
仕事覚えてもらう。
簡単にでいいから、1週間で体に叩き込め｣
あとから聞けば、広斗さんの仕事はフロントマン。
チェックインからチェックアウトまでを担う。
ベルアテンダントは、簡単に言えば案内人。
お客さんの荷物を持ち、フロントや客室まで案内する。
というわけで、慣れない土地での生活が幕を明けたのだ。
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乃愛(プロフ) - この恋は線香花火 で三代目！？って思って飛んできました！作者さん天才ですか😭 (8月16日 22時) (
レス) @page22 id: 097daf5ae9 (このIDを非表示/違反報告)
???(プロフ) - このお話めっちゃ好きです‼︎‼︎‼︎! (8月16日 10時) (レス) @page49 id: 860ce47928 (このIDを非表示/違反報告)
яeu(プロフ) - ねさん» 読んでいただきありがとうございました。ネタが思いつかなくなってしまったので当分お休みしてしまうと思いますが、再開したらまた宜しくお願い致します。 (2022年9月4日 0時) (レス) id: c91b141c55 (このIDを非表示/違反報告)
яeu(プロフ) - 紫陽花さん» 聴きながら読んでくださったんですね、とても嬉しいです。またこの夏のやまとくんに会いに来てくださいね。 (2022年9月4日 0時) (レス) id: c91b141c55 (このIDを非表示/違反報告)
ね(プロフ) - 素敵なお話ありがとうございました！お疲れ様でした！これからも作者様のお話が読めますように！🙏 (2022年9月3日 14時) (レス) @page49 id: b58a06d955 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：яeu | 作成日時：2022年7月31日 22時
