線香花火

Day 2 ページ15

ベッドに入ったのが久しぶりに
0時を回ったからか、
翌日起きた時には既に太陽が
てっぺんに昇っていた。



予定では涼しい朝のうちに海の写真を撮るはずだったのに
最初から大きくコケてしまっている。
沖縄の昼の外なんて蒸し風呂状態で
あまり出たいものじゃない。



だが海に行かないにしても食料がないため、どちらにせよ
外には出ないといけない。
とすればまあついでに寄っていけばいいだろう。



海にはきっと大量の人間が詰めかけているだろうが
ひょっとしたらこの暑さにやられて少ないのでは、と
いう可能性に期待を込め、重たい腰を上げた。



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コンビニで夜の分を合わせておにぎりとパンを2つずつ、
そしてお菓子を少々買って海へ向かっていた。



上から突き刺す紫外線は日傘でブロックしているものの
下から照り返してくる紫外線がきつい。
直射日光に当たるまいと丈の長いワンピースを着てきたが
正直ショートパンツでも同じだったろうと思う。



だんだんと視界にヤシの木が増え、
吹く風にも海の香りが強くなる。



でも不思議なことに、ワイワイガヤガヤとした声は
聞こえない。



数十分前の予想が当たっているのではと駆け足ぎみに
なったところで、背中から声が聞こえた。



｢すみません、このビーチ今貸切ってて一般の方入れないんです｣

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