あなたがくれる全ての色を ページ17
「なんで…。」
立ち尽くす俺と、こちらへ歩いてくる佐久間。
「ここ、康二に告白する場所として勧めようと思ってたんだけど、こうやって見ると秋は向かないね。」
佐久間は、本当に康二達のことを考えていて。
俺はなんて自分勝手だったんだろうと改めて思う。
そしてそれから、またこの話を佐久間としなきゃいけないのかと、振られた話題に気が重くなる。
「…そうだね。」
でも、謝るなら今なのかな。
謝ったところで、もう俺と佐久間の関係性が、変わるわけもないけど。
なんて思っていると、佐久間は木を見上げながら
「桜の木しかないんだもん。
そりゃ秋はなんも無いよね。」
と言って苦笑った。
俺も同じように、木を見上げた。
「うん、花も葉っぱも無くて枯れ木だらけじゃ、雰囲気の欠片も無いし、さすがに無しでしょ。
第一、別れた相手へ告白した場所を人に勧めるって、縁起悪すぎない？」
謝るどころかそんなことを真面目に返しちゃって。
全然駄目だな、俺。
「うーん、そうかも。
康二に勧めんのは辞めるわ。」
そう言って佐久間が俺の方を向き直った。
「そういや阿部ちゃん、覚えてる？
別れる時、話し合ったこと。
お互いが未来に進むために別れましょうみたいなやつ。」
「…覚えてるよ。」
なんだか今日の佐久間は、思い出したくないことばっかり思い出させてくる。
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よよよ - 初めまして！結構長く丁寧につくられていた作品でしたがもう面白すぎすぐに読み終えてしまいました！文章やストーリーに引き込まれてしまいもう素晴らしいです。オチの感じもすごく良くて一つ一つの表現が美しく綺麗で感動しました！素敵な作品をありがとうございました (2023年1月17日 9時) (
レス) @page23 id: 8aa624da18 (このIDを非表示/違反報告)
葉子(プロフ) - 菜那香さん» 初めまして、こんにちは！美しさ、ですか！？初めて言っていただいたかもしれません…！ありがとうございます。しかも泣いてくださっただなんて…！そう言っていただけると一生懸命書いて良かったなと思えます。他のお話もそう思っていただけるよう今後も頑張ります！ (2021年4月14日 7時) (レス) id: f3c5f4857a (このIDを非表示/違反報告)
菜那香(プロフ) - さくあべのあまりの美しさに涙が出てきました...！素敵な作品をありがとうございました！！ (2021年4月14日 0時) (レス) id: c1db9a1b15 (このIDを非表示/違反報告)
葉子(プロフ) - ハルさん» ありがとうございます！そしてそのセリフ覚えていてくださったんですね！？そうなんです、あのセリフから最終話に飛びました(笑)まさかそんな前の話まで覚えていてくださるとは！個人的なお遊び要素でしたが一緒に楽しんでいただけて嬉しいです！読み返しも感激です…！ (2020年10月25日 22時) (レス) id: f3c5f4857a (このIDを非表示/違反報告)
葉子(プロフ) - さーこさん» お久しぶりです！お仕事でお疲れの中この量を一気読みだなんて…！だ、大丈夫でしたでしょうか…。そしてありがとうございます…！泣いていただけたなんて、私がその言葉に猛烈に感動です。疲れた時には涙活がいいみたいなので、少しでもお役に立てていたら嬉しいです！ (2020年10月25日 22時) (レス) id: f3c5f4857a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：葉子
| 作成日時：2020年10月14日 22時
