緑色だったはずのものも ページ12
この前はみっともないところ見せて申し訳ないことしたなと思って、康二に連絡した。
そうしたらケーキ一つで許すっていう返事がきた。
そんなわけで、康二が行きたいというカフェがある駅で待ち合わせる。
康二が乗った電車は、後二分くらいで到着するはずだ。
佐久間とは、あれ以降特にあの件に触れることもなく、メンバーとして当たり障りのない距離感でやり過ごしている。
こういう時メンバーが多いっていうのは助かる。
他の人と話していて、一日たいして佐久間と話さなくたって、変に思われることが無いから。
まあ、それを良いことにあんな態度をとったことを謝らずにいる俺も、駄目なのかもしれないけど。
だからってまたあの話を佐久間とする気には、どうにもなれなかった。
そしてそう考えると、別れた時の結論は、やっぱり間違ってなかったんだなと思う。
一緒にいすぎたら一緒にいることに意味を感じなくなって、離れたのにまた近付いてみればこの有り様なんだから。
もう、今度こそ、あの結論が覆ることは無いと分かった。
「あーべちゃん！」
後ろからぽん、と肩を叩かれる。
よく知った、明るい声。
「おはよう、康二。」
「おはよ。
あと、お疲れさん。」
ついおはようって挨拶しちゃうけど、実際は午前の個人仕事を終わらせて、もうすっかり昼過ぎだ。
「んじゃ早速、と言いたいとこやけど、道調べるからちょっと待ってや。」
康二が地図アプリを起動させて、検索してくれる。
どうやら今回行くところは康二も初めて行くお店らしい。
「こっちやな。」
そう言うと歩き始めたから、俺もそれについて行く。
「んー、…あ。
この道抜けたとこやな。」
康二がパッと右を向いた、その先。
ごくりと、唾を飲む。
だってそこは、佐久間と昔歩いた。
いや、佐久間に昔告白された、桜並木だったから。
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よよよ - 初めまして！結構長く丁寧につくられていた作品でしたがもう面白すぎすぐに読み終えてしまいました！文章やストーリーに引き込まれてしまいもう素晴らしいです。オチの感じもすごく良くて一つ一つの表現が美しく綺麗で感動しました！素敵な作品をありがとうございました (2023年1月17日 9時) (
レス) @page23 id: 8aa624da18 (このIDを非表示/違反報告)
葉子(プロフ) - 菜那香さん» 初めまして、こんにちは！美しさ、ですか！？初めて言っていただいたかもしれません…！ありがとうございます。しかも泣いてくださっただなんて…！そう言っていただけると一生懸命書いて良かったなと思えます。他のお話もそう思っていただけるよう今後も頑張ります！ (2021年4月14日 7時) (レス) id: f3c5f4857a (このIDを非表示/違反報告)
菜那香(プロフ) - さくあべのあまりの美しさに涙が出てきました...！素敵な作品をありがとうございました！！ (2021年4月14日 0時) (レス) id: c1db9a1b15 (このIDを非表示/違反報告)
葉子(プロフ) - ハルさん» ありがとうございます！そしてそのセリフ覚えていてくださったんですね！？そうなんです、あのセリフから最終話に飛びました(笑)まさかそんな前の話まで覚えていてくださるとは！個人的なお遊び要素でしたが一緒に楽しんでいただけて嬉しいです！読み返しも感激です…！ (2020年10月25日 22時) (レス) id: f3c5f4857a (このIDを非表示/違反報告)
葉子(プロフ) - さーこさん» お久しぶりです！お仕事でお疲れの中この量を一気読みだなんて…！だ、大丈夫でしたでしょうか…。そしてありがとうございます…！泣いていただけたなんて、私がその言葉に猛烈に感動です。疲れた時には涙活がいいみたいなので、少しでもお役に立てていたら嬉しいです！ (2020年10月25日 22時) (レス) id: f3c5f4857a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：葉子
| 作成日時：2020年10月14日 22時
