over the screen (ページ19)

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撮影とインタビューが一通り終わり、

全ての取材が終わったのが

夕方17時だった。

私服に着替え、スマホを見てみると

AちゃんからのLINEが入っていて

そこには

“ お疲れさまです。仕事終わったら教えてください！待ってます ”

との文字が。

昨日会っただけのはずなのに

あれ、俺たち同居してるんだっけと

勘違いしてしまいそうなくらい

それくらい、夢中になっていた、彼女に。

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【 YOU side 】

夕方くらいに終わる予定、と聞き

16時頃から妙にそわそわが止まらない。

時計はもうすぐ 17時半を指す

LINE、まだかな

待っていたら LINEではなく

着信画面に切り替わり

ディスプレイには『岸くん』の文字が。

呼吸を落ち着かせて

「もしもし」

と電話にでる。

岸「あ、もしもし？今終わったよ。」

「お疲れさまでした！」

岸「ありがと。今から行ってい？」

「はい、待ってますね。」

岸「うん、声も元気そうでよかった」

「もう全然平気ですよ、今日はたくさん喋りたいです」

岸「俺もだよ」

ストレートな俺もだよに胸がどきっとした

わたしいま、絶対顔赤い …

「じゃあ、気をつけて来てくださいっ」

岸「ん、あとでね」

「は～い」

＿＿＿電話がぷつっと切れて、また無音の世界になる

昨日は具合い悪い勢いで色々口走ったりしたけど

今日はしっかり、料理もして、おもてなししよう。

“ 好き ”

そんな気持ちは、しまっておこう

彼はアイドルなんだ

わたしが今まで見てきたように

わたしと同じように彼を好きなひとは

世の中にたくさんいて

きっとこれからまた増えて

彼はより「アイドル」でいなきゃならないんだ

そんなことを、言い聞かせた、

切なく日が落ちていく夕刻のことだった。