・ちょっと回想 ページ11
マックside
朝起きると、アーセナルとジャッキーが深刻な顔で話し込んでいた。ガムは部屋の隅で所在なさげにしているし、エースもトッポも、煙草吸うたりゲームしたりしつつ聞き耳は立てているようだ。
マック「なんや2人とも暗い顔して。」
ジャッキー「おおマック、やっと起きたか。なぁお前はどう思う？」
どうやらジョニーの話だ。確かに最近、あいつはふとした瞬間に疲れた顔を覗かせる。今朝は特に、珍しく煙草を吸っていたりアーセナルに強くあたったりとらしくない姿を見せたという。
アーセナル「あいつ、限界ちゃうか。ちゃんと休ませた方がいいし、ちゃんと話聞き出した方がいい。」
ジャッキー「せやけど、あいつは自己管理出来るやつやし、自分のキャパわかってるやろ？しんどいならしんどいって俺に言うはずやし、変に心配される方が嫌ちゃうか？それに普段なんか変わった様子も感じひんし、今朝特別疲れてたってだけちゃうか？…」
なるほど。アーセナルは無愛想だが意外と人のことを見ているし仲間の事を想っている。ジョニーの普段見ない姿を見たことが不安なのだろう。ジャッキーが異変を感じていないなら杞憂な気もするが、ジャッキーというやつは、少し天然で裏表がない良い奴であるだけに、人にも同じことを当然のように求めてしまう節がある。さてどうしたものか…
マック「…まぁ確かにあいつが俺らに遠慮する理由はないけど…」
そう呟いた時、奥のソファから声が飛んできた。
トッポ「あるやろ。てかジョニーはめっちゃ皆に…俺にも、遠慮してんで。わからんの？」
視線がトッポに集まる。ゲーム機を置いたトッポは、少し緊張したようだが、小さく息を吐くと話を続けた。
トッポ「わかるやんそんなん。あいつは始末の戦力にならん。俺も大概やからちょっとは分かる。毒が役に立つこともあるし、仕事に着いてくこともあるから、全部は分からんけど。皆が手を汚してる、怪我する時もある、でも着いてってもお荷物やし、力にもなれん。そんなん、遠慮しまくるし気も使いまくる。しんどいとか、言えへんのちゃうか？」
ジャッキー「なんやそれ！あいつにはあいつにしか出来ん仕事があって、頑張っとるやないか！あいつも危険な目にあう時もあるし、そんなことであいつを責めるやつおったら俺らここまで続かんやろ！？」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 24人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：らむ倉 | 作成日時：2020年8月31日 17時
