83. ページ33
【貴方の声で解れてゆく
忘れたくないと心が云う
思い出ばっか増えてゆく
ずっと側に居たい
...限りある恋だとしても
出逢えて幸せです...
いつまでもいつまでも続いて欲しいと願っている
手を取ることは出来ずとも
私は貴方を好いている...】
この広い会場で
初めて人前で声にして歌うと
自分でもびっくりするほどこの歌が自分に響いてくる...
色んな人が共感できて
色んな人の心に響いたらいいね...って何回も何回も書き直しながらSHUTAと書いた歌詞
その色んな人って自分以外の誰か...ってことだったはずなのに
今は自分自身で書いた歌詞に共感しすぎて
響くどころか感極まるレベル。笑
SHUTAのパートの間も
心にすっと入ってくる歌声と共に頭に浮かぶのはいろんな場面の倫也さんとの思い出で
単純に
本当単純に
...会いたいが募った...
【明日も...側に居たい...】
その歌詞が耳に届いて...SHUTAが言っていた花火が打ち上がるタイミング
2人での歌い出しのタイミングと同時に
背中側に感じる音と光の反射
会場に広がる歓声とわたしたちの歌声が混ざって
後ろを振り向くことはできないけど
たくさんの人の幸せそうな顔が目に映って
なんだか
それだけで...とても満足だった...
歌の盛り上がりと共に花火の打ち上げの数も増えて
まるで今年の夏のフィナーレみたいに
打ち上がっては消えてゆく音が鳴り続けていた...
【私の...僕の...時間が止まればいいのに
今日を噛み締めていよう
終わるな、夏よ終わるな】
歌い切った...
夏よ終わるな....
こんなに思ったことなんてなかったな...
まだ続いている後奏のピアノの音を聞きながら
この景色を忘れることも
今のこの気持ちが消える事も
きっとないんだろうな...って...思った
SHUTA...ありがと。
そう思いながらSHUTAの方を向くとこっちを見ていたSHUTAは小さく人差し指を斜め後ろに指差した。
指差す方向に視線をゆっくり向けると...
夜空はまるで果てしなく広がる深い海みたいに真っ青に輝く無数の花火が広がっていた...
その輝きがあまりにも綺麗で
嬉しくて
感動しちゃって
向き返って「綺麗だねっ！」って抑えられなくて焦った様に言ったら
「...あははっ。」ってSHUTAはわたしを見ながら笑っていた...
そして
本当に...この短かった夏が
終わったんだ...
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 98人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
RJS(プロフ) - naaaaさん» naaaaさん☆コメントありがとうございます！楽しみのひとつと言ってもらえるなんて、最高に嬉しいです。ゆっくりですが長くお付き合い頂ければ嬉しいです。やる気もらえました！ありがとうございます☆☆☆ (2022年4月26日 19時) (
レス) @page9 id: acf635abfc (このIDを非表示/違反報告)
naaaa(プロフ) - すごく面白いです！最近の楽しみの一つになってます。更新頑張ってください！ (2022年4月25日 12時) (レス) id: ab66cc7dba (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：RJS | 作成日時：2022年4月19日 19時
