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【倫也さん】と【真夏ちゃん】の姿を何も言えずに見ることしかできない【A】みたいに
休憩中も撮影の合間も倫也さんはわたしとは離れた場所で笑ってて
それを見てることしかできない
もうこの状況を早く打破したいけど撮影はそんなにうまくは進まないし
だからって待ちに待っていた倫也さんとの撮影日が来てもあと少しで撮影が終わってしまうという事実が頭をよぎって溜息が出てしまう
『疲れてる？』
座っていたベンチの後ろ側から声がして振り返ると倫也さんはいつもの穏やかな表情でわたしを見下ろしていた
「...いえ、なんか...色々あったなぁって。そう思ってたらちょっと寂しくなっちゃって。」
『いい現場ってさ、そうなるんだよ。もうちょっとやりたかったなぁとか終わることが寂しく感じたりね。』
「そうなんです。現場でみんなに会えなくなることもわたしが【A】じゃなくなっちゃうことも、全部...寂しく感じちゃって...。」
『俺もそうかなぁ〜。なんかさ、俺が演じる役ってクセ強が多かったからその場を離れたら切り替えてみたいなことが多かったんだけどさ、今回はなんか切り替えとかあんまないっていうか、やっぱ役名同じだからかねぇ〜。本当はもっと緊張感持たなきゃいけないんだけどね。んふふ。』
「...そうですよね。わたし...実はお会いする前ものすごいビビってて...あの、いろんな役のせいなんですけど。」
『あはは、そうなるよね。』
「あのでもっ、本当に倫也さんで良かったです。【倫也さん】のこと本当に大好きになれました。」
『んふふ、良かった。俺もテレビでりっつぁん見て、俺の中の【倫也さん】がきっと
俺の【A】ちゃん歌うまー。まじか。
ってなってだんご落っことすかも知んないよね。』
そう言ってふざけた様に倫也さんは笑っていた。
こんな何気ない時間も会話も
あと何回くらい交わすことができるのかな
俺の【A】ちゃん
って言葉が
わたしのことを言ってくれてるように感じてしまって
バカみたいだけどやっぱり嬉しくて
一緒にあと1回だけ見れる恋朝日と
一緒にあと1回だけ見れる恋花火を
大切に大切にしよう
そして
夜の風が涼しく頬をかすめて
秋の気配がこの夏を追い出す様に
少しづつ
この物語の世界から現実へと自分を動かしていかなきゃ
だけど
わたしだってこの先あなたをほかのどこかで見かけたらきっと
わたしの倫也さん
って...勘違いしちゃうんだろうな...
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RJS(プロフ) - naaaaさん» naaaaさん☆コメントありがとうございます！楽しみのひとつと言ってもらえるなんて、最高に嬉しいです。ゆっくりですが長くお付き合い頂ければ嬉しいです。やる気もらえました！ありがとうございます☆☆☆ (2022年4月26日 19時) (
レス) @page9 id: acf635abfc (このIDを非表示/違反報告)
naaaa(プロフ) - すごく面白いです！最近の楽しみの一つになってます。更新頑張ってください！ (2022年4月25日 12時) (レス) id: ab66cc7dba (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：RJS | 作成日時：2022年4月19日 19時
