44. ページ44
数日間長い撮影が続いて
泣く演技なんて自分に出来るのかな...なんて
そんな不安をかき消すように
【A】になれば心はすごく傷ついて
苦しくて、でも好きで
タンクにでも溜めてあったかのように涙が溢れた
【倫也さん】の優しさに
自分の思い込みに
心底落ち込んで
それでも優しい【倫也さん】に申し訳なさと不甲斐なさでいっぱいになった...
今日の撮影は結局深夜までかかってしまってわたしは仮眠を少しだけとって夜明前からの撮影に臨んだ。
一人一心不乱にネックレスを探して
ボロボロの状態だったけど
登ってくる朝日が本当に綺麗で
朝日をボーッと眺めていたら
スタンバイしている倫也さんを見つけて
嬉しくなって手を振った。
目が合うと少しびっくりしたような顔でこっちを見ていていたけど、すぐにニコッと笑ってくれた。
あぁ...そっか
びっくりもするよね。わたし、さっき倫也さんが言ってくれた【綺麗】な状態とは程遠いし...
手足頭砂だらけだし、口の中も砂でじゃりじゃり言ってる...
残念な姿だ。
でも...演技だとしても、ギュッと抱きしめてくれた温もりが嬉しくて、久しぶりに感じた倫也さんの体温でわたしの体温はまた上がった...
〈カット!オッケー!〉
スタッフさんが私たちに砂を払う用のタオルを渡してくれた。
『倫也さんすいません、砂いっぱいつけちゃいましたよね。』
受け取ったタオルで軽く倫也さんの肩や腕の辺りの砂を払った。
「俺は平気だよ。自分の方がまみれてるから。笑
ほら、こっち向いてみ。」
そう言った倫也さんはわたしの頭を片手で掴んで顔についた砂埃をタオルで優しく払ってくれた。
砂のせいもあるけど
こんな状況
絶対に絶対に目は開けられない
そう思った...
だけど
どうしても、どうしても
顔が見たくて少しだけ目を開けると
片方の口角だけ上げてふふっと笑う倫也さんが居て
顔が近すぎた衝撃で目をパチパチさせると
『まじで綺麗だった。ほんと天使みたいだったよ。』
そう言って頭に軽くポンッと軽く触れた倫也さんは、
『あとちょい頑張ろ。で、帰ってめちゃくちゃ寝たい。』
そう言って笑ってた。
ほんとにこの人は
どんだけわたしの気持ちもってけば気が済むんだろう
わたしだけがときめいて
わたしひとりで舞い上がって
なんなんだよ!とか言ってみたいけど
わたしは今この時間が幸せでしょうがないんです...。
だからもう少しだけ...このままで...
160人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
RJS(プロフ) - 游歌さん☆コメントありがとうございます!読み進めていただければわかるのですがアーティストネームとして【rtzu】という名前を使っていて本名が読み手さんのお名前になるように設定してます!なのでもう少し読むとお名前で出てくると思います!宜しくお願いします☆ (2022年9月10日 10時) (レス) id: acf635abfc (このIDを非表示/違反報告)
游歌 - 続けてのコメントですみません。。。 そしてこの主人公ちゃんは日本人の設定ではないのでしようか? (2022年9月10日 1時) (レス) id: 4332e38eb8 (このIDを非表示/違反報告)
游歌 - こんばんは(*^^*) はじめまして。 夜分遅くにいきなりすみません。。。 この物語の主人公ちゃんの名前って固定なんでしょうか? (2022年9月10日 1時) (レス) id: 4332e38eb8 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:RJS | 作成日時:2022年2月25日 18時