検索窓
今日:27 hit、昨日:5 hit、合計:43,166 hit

22. ページ22

昨日はうちに帰ってから伊藤ちゃんに言われた通りすぐに眠りについた。

そのおかげかダルさは残らず朝を迎えてまた現場へ向かう。

昨日と同じようにメイクをして現場に入って段取りを聞いてから目を瞑ってまた曲を再生してわたしと【A】を入れ替える。




〈rtzuさん、お疲れ様です!休憩ですよ。〉

ハッとして横を見るとわたしの腕に手を置いて少し心配そうにわたしを見つめる伊藤ちゃんが居た。

「あ、ごめん。」

〈rtzuさん、そろそろ何か食べて下さい。さっきの昼休憩ずっと眠ってたから、朝から何も食べてないです。〉

「...そっか。そういえばそうだね。」

そう言ってソファーに移動して用意されていたサンドイッチを食べた。


〈どうですか?撮影。〉

「...逆にどう?わたし。大丈夫?」

〈本当凄いですよ。こんな普通のことしかいえなくて申し訳ないですけど、でも本当にいい作品になると思います。...だけど、異世界モードすぎてrtzuさんが心配です。ここまでの撮影、ちゃんと覚えてますか...?〉

そう言われて思い返すと

断片的には場面は出てくるものの、つい昨日やさっきのことなのにあまりはっきりと覚えていない...

「...ちゃんとは...思い出せない。」

〈今日現場に入ってから時間もだいぶ経ちましたよ。〉

そう言う伊藤ちゃんはカーテンを少し開けた

カーテンの隙間から見えた空はもうすっかり色変わりしていて部屋の電気がガラスに映っていた。


〈それ食べたら外でましょうか。散歩でもしましょ。〉

そう言って伊藤ちゃんはわたしが食べなかったから自分も食べなかったであろうサンドイッチを口に運んで笑った。



次の撮影現場の公園までを伊藤ちゃんと話しながらゆっくり歩いて、公園内に入るととっても大きくて満開に咲いた桜の木が迎えてくれた。

「...すごい立派だね。」

〈本当ですね。あ、rtzuさん上着、持ってきますね。ちょっと待ってて下さい。〉

「あ...うん。」

そう言ってすぐ横にあったベンチの端に座った。



こんなに大きくて綺麗な桜の木初めて見たかも...

頬を掠める風は少し冷たいけど

なんか気持ちいい...


目を閉じて空気感を感じていた








少し...風が吹いた気がした...















『四月ってさ、まだ夜は寒くないです?』



スッと耳に入ってきた心地の良い声にゆっくり瞳を開いた


目線を左に向けるとベンチの端

ダウンのポケットに手を突っ込んで桜の木を見上げる少しだけ見覚えのある横顔がそこにあった...

23.→←21.



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.8/10 (45 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
160人がお気に入り
設定タグ:中村倫也 , 恋愛 , ドラマ   
作品ジャンル:恋愛
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

RJS(プロフ) - 游歌さん☆コメントありがとうございます!読み進めていただければわかるのですがアーティストネームとして【rtzu】という名前を使っていて本名が読み手さんのお名前になるように設定してます!なのでもう少し読むとお名前で出てくると思います!宜しくお願いします☆ (2022年9月10日 10時) (レス) id: acf635abfc (このIDを非表示/違反報告)
游歌 - 続けてのコメントですみません。。。 そしてこの主人公ちゃんは日本人の設定ではないのでしようか? (2022年9月10日 1時) (レス) id: 4332e38eb8 (このIDを非表示/違反報告)
游歌 - こんばんは(*^^*) はじめまして。 夜分遅くにいきなりすみません。。。 この物語の主人公ちゃんの名前って固定なんでしょうか? (2022年9月10日 1時) (レス) id: 4332e38eb8 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:RJS | 作成日時:2022年2月25日 18時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。