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伊藤ちゃんのレーサーのようなハンドリングで見事に打ち合わせの5分前には会議室に到着した。
わたしたちが着席してすぐに社長が部屋に入ってきた。
そしてわたしを見るなり、
〈どうした？寝坊か？〉
と聞かれ、
「寝坊といいますか、寝そびれたが正解ですかね。」
と言うと、またか。みたいな顔で笑われた。
そのわたしの言葉に伊藤ちゃんも笑っていて、昼夜問わず仕事に集中したい為に購入した遮光カーテンを全部引っ剥がしてやろうかと思った。笑
諸々のスケジュールを数名のスタッフの方達と確認して、タイムスケジュールを隣でカタカタとすごいスピードで打ち込みをしていく伊藤ちゃんはまるでマシーンのようで
その横でわたしはさっきまで作っていた曲のことばっかり考えていた。
〈なぁ、rtzu。演技、どうする？〉
気づけばわたしの隣に座って前のめりにこちらを見ている社長。
げっ。その話か。
「いや、わたしは向いてないかと。」
〈おまえPVもあんまり出たがらないけどなんでなの？〉
「...わたしの..世界観があるからです。」
〈rtzuの世界観になんで自分が居ないんだよ？〉
「そこにあるのはわたしの声だけなんです。だからわたしの理想の世界観の人に演じてもらいたいって思うんです。」
そう言うと社長は穏やかに微笑んだ。
そして
〈...うん。わかった。それなら今回のドラマはおまえが【理想の世界観の人】なんじゃないか？だから演じてもらいたいってオファーが来たんだろ。たまには人の描く世界観に染まってみるのもいいんじゃないか？今おまえにない何かが見えるかもよ。〉
そう言うとわたしの肩をポンポンッと軽く叩いて部屋を出て行った。
今わたしにない何かが見える...
それもそうかも知れない...
いつもそうだ
社長の言葉はなんだかいつも妙に納得してしまうような
それが正解のような感覚になる
いやっ、
これに何度苦しめられたことか！！
しっかりしろ！わたしは歌手だ！
そう思って首を横に振っていると、
［わたしにはあの役、rtzuさんぜーったい合うと思いますよ？で、スケジュール的には四月中頃からとして〜とりあえず仮押さえしてあるんで♪］
ニコニコと笑いながらパソコンをこちらに向ける伊藤ちゃんはまるで暗示のように
［rtzuさんはきっとこのお仕事やるはずです。］
そう自信あり気に言った。
後にこの伊藤ちゃんがどれ程わたしという人間を理解しているかということを知る事となるのである。
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RJS(プロフ) - 游歌さん☆コメントありがとうございます！読み進めていただければわかるのですがアーティストネームとして【rtzu】という名前を使っていて本名が読み手さんのお名前になるように設定してます！なのでもう少し読むとお名前で出てくると思います！宜しくお願いします☆ (2022年9月10日 10時) (
レス) id: acf635abfc (このIDを非表示/違反報告)
游歌 - 続けてのコメントですみません｡｡｡ そしてこの主人公ちゃんは日本人の設定ではないのでしようか？ (2022年9月10日 1時) (レス) id: 4332e38eb8 (このIDを非表示/違反報告)
游歌 - こんばんは(*^^*) はじめまして｡ 夜分遅くにいきなりすみません｡｡｡ この物語の主人公ちゃんの名前って固定なんでしょうか？ (2022年9月10日 1時) (レス) id: 4332e38eb8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：RJS | 作成日時：2022年2月25日 18時
