ドロモスワークスカンパニー3 (ページ5)

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雑談ページ5

廊下を歩いて、人形についていく。

　ここにいるであろう怪物達と出会わないようにするためと、人形はいくつかの扉を開けては通り越し、開けては通り越し。

　明らかにこの施設に元々あったものではないであろう、奇妙な扉。人形が生み出したものなのか、それとも、他の何者かが配置していたのか……しかし、扉の雰囲気は人形に似ている。人形か、そうでなくても人形に近しい者が作ったのだろう。

　人形、カチュア、アインさん、あたしの順で歩く。扉を抜けて、後ろを振り向くと、そこにもう扉はない。ただの壁だ。かすかにあの気配の香りが残ってる。

「早く行きましょう」

　さっきまで扉のあった壁を撫でてみてたのだけど、人形にせかされて、仕方なく離れる。

「メレディスが目覚めたのは想定内でしたが、ここまで被害が及ぶとは思っていませんでした。魔法少女さんの保護が遅れた事については謝罪します。蜘蛛さんが」

　メレディス、というのは……誰だろう。口振りからして、施設がこんなになった原因みたいだけど。けれどそれより、気になる事がある。

「蜘蛛……女王蜘蛛が？」

「はい。僕はこの件にあまり干渉していませんし……あの人から職員の制圧の補助と、そしてこの騒動の調停を任されたのは、今回は蜘蛛さんでした。まあ、蜘蛛さんにすべての責任があるわけでもありません。むしろ、これは職員さんの責任です」

　そうでなかったら、僕はただ見ているだけでした。

　人形はそう言う。その声音に感情らしきものは見受けられない。うんざりだとか、あるいは腹が立つだとか、そんなのはちっともないようだった。ただ真実を述べているだけ、みたいだ。

「ああ、けれどもしかするとあの人はこの事を見越していて、狙っていたのかもしれませんね」

　あの人、というのは誰なんだろうか。女王蜘蛛やメレディスではないようだけど。どうやら、人形や蜘蛛より立場が上らしいけれど。幻想体の上下関係なんて知らないから、どうとも言えない。