目覚め ページ2
「ああ……」
怯えて掠れきった悲鳴をあげる。どうやらこれは予知夢だったみたい。今回のは、あたしが一番嫌いなタイプだった。長く長く苦しんだから。でも、外側から溶かされるよりはましだったかも。
荒い呼吸を整え、起き上がり……違和感に気付いた。ここ、あたし達の収容室じゃない。どこだ？
少し目を閉じて、記憶を探る。すぐに答えは見つかった。職員さん達がいた、避難所みたいなところだ。あたしは職員さんを探すためにこの部屋から出て、そして殺された。
しかしもしここがそうだとすれば、新たな問題が発生する。予知夢の通りなら、あたしがあと一日もしないうちに死ぬのだ。
社員証から現在時刻を確認する。あたしが部屋を出た時間の五分前だ。こんなすぐ近くの未来なんて見た事ない。
「カチュア、起きて」
あたしのすぐ傍のカチュアを揺り起こす。カチュアは青ざめた顔をしていた。カチュアはどんな殺され方をしたのだろうか。
「ここで待ちましょう。外は危ないみたいだから……」
「そうだね華璃ちゃん……あのね、私の夢を聞いてくれない？何があったか知りたいから、華璃ちゃんのも」
「良いよ。あたし、外に出て職員さんを探してたの。そしたら、サリエルさんに会って……気が付いてたら、手遅れで。サリエルさんの様子がおかしかったから、多分……」
思い出して、気分が悪くなる。喉の奥が酸っぱい。カチュアに一言言って、水道の水を飲む。心地良い冷たさが、頭を落ち着かせてくれた。
カチュアにも一杯差し出す。頷いてごくりと飲み、彼女は続けた。
「あの後、華璃ちゃんは帰って来なくて……しばらくしてから探しに行こうと思って部屋を出たの。そしたら、緑の髪の女の子に……服装からして、職員さんじゃなかったわ。幻想体か、そうでないなら暴走した上級職員ね」
細く長いため息をついて、カチュアはまた一杯水を呷った。
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