談話 ページ7
「れ、REDランク?!冗談でしょ?!」
思わずギョッとして、飛び退く。そんな様子を見て緑の子の片方……ウタさんがけらけら笑った。
「そーだよ。てか、そんなに驚かなくても良いじゃん!あたし、何もしないよ?」
少なくとも、今はね。
ウタさんは、そんな風に、歌うみたいにして言う。ソロモンさんはそれを困ったみたいにして眺めていた。まったくもう、そんなに怖がらせちゃだめだよ、なんて。でもきっと、本当はそんなに困ってなさそうでもあった。
「ああ、ようやく来た。待ちわびたぜ、魔法少女」
赤目の女の子のすぐ傍に立っていた職員さんが声をかける。青色の鋭い目付きをした男の人だ。けれど、柔らかな笑顔のせいか、あまり険のある雰囲気はしない。
「俺はW073。お前らには世話になったな。お前らは覚えてないらしいし、俺にも覚えはないんだが……それでも、俺がここにいられるのはお前らのお陰、なんだと。ありがとよ」
「は、はぁ……ありがとう、ございます?」
なんだ、そりゃ。ちょっとおかしくて、くすっと笑ってしまいそう。
「レン、彼女達の記憶は消去されています。今お礼を言われても通じないかと」
「それでも言っちゃいけないわけじゃねぇだろ?この子達のお陰で、俺はこうして生きていられるみたいだしな」
よく分からないけれど、あたし達が何かして、結果この人……レンさんは生きているらしい。心当たりなんてまったくないんだけど、だからといって、悪い気分はしなかった。
「あ、あの。ところで質問、なんですけど」
カチュアがおずおずと手を挙げる。レンさんの代わりに、ウタさんが、どうぞ!と、カチュアに指を指した。
カチュアはびくりと震えて、そして続ける。……カチュアは何に怯えているのだろうか?
「私達、何のためここに集められたんですか?避難、ってわけでもなさそうですし」
「あー、それねー。あたしもよく分かんないんだけど……何かヤバいやつが脱走したから、それを止めてほしいんだってさ。めっちゃくちゃ強いやつらしいから、あたし達みたいな、なんだっけ、REDランクの幻想体の力を借りたいんだってよ」
他にも話の分かる幻想体をここに連れてきて、待機してもらうんだって。ウタさんはそう続けた。
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