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第百八話 アルラウネ ページ24

私は子供。小さな可愛い女の子。

 その正体が恐ろしいゼロ生物だと知る人間はいない。だから、私はそこへ行ったの。もう一人の私と一緒に、大きな大きなシェルターへと。

 シェルター、というそれは……どちらかというと、穴のように見えたわ。大きな穴。その壁面に、階段や扉が設置されていた。多分、あの中へとこもるのでしょうけど……それにしたって、こんなに大きな穴にする必要、あったのかしら?

 私は彼女へそう伝えてみる。彼女も頷いた。同じ事を考えていたらしかった。当たり前の事なのだけどね。だって、彼女は私で、私は彼女なのだから。

 私、スザンナ・ローズことゼロ=アルラウネは他人への寄生ができる。やり方は分かってた。多分、本能というやつよね。口から入って食道を食い破り、脳髄へと侵入して中枢神経をコントロールする。

 ただ面倒なのは、寄生する相手の遺伝子が私に近くなければならなかった事。

 他の人間にも試したのだけど、株分けしてすぐにそいつは死んだ。もちろん、そいつの身体に寄生しようとした、私の分身もね。

 ラッキーだったわ。娘と姪、たまたまこの二人がいてくれたから良かった。あのままだったら、私は和哉さんに殺されて、そこでおしまいだったのだから。

 殺された私は、きっとつらかったに違いないわ。凍えるような思いをしたのでしょう。なんて哀れなのかしら。

 殺されたのはオリジナルの私だから、どうだって良いんだけどね。

 ううん、それよりも!私はきっ、と、シェルターを睨む。

 ここのどこかに、私の妹は……フェシリアはいるに違いなかった。いなかったとしても、ここに来る事には違いない。

 片っ端に扉を開けて探していくのは悪手だろう。とりあえず、普通の子供らしく振る舞わねば。そうね、普通の子供なら、こんな時はどうする?泣き喚いて親を探すかも?……泣き喚くのは嫌ね。

 あの扉に入りましょう。そして、妹のフェシリアを待つの。そうすればきっと、フェシリアはここへ来てくれるわ。私がフェシリアを見捨てないように、フェシリアもまた、私を見捨てないのだから。

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ミクミキ(プロフ) - 完結しました〜 (2019年9月8日 20時) (レス) id: eada72cfbe (このIDを非表示/違反報告)
ミクミキ(プロフ) - 更新します! (2019年9月8日 20時) (レス) id: eada72cfbe (このIDを非表示/違反報告)
キューブ(プロフ) - 終わりましたですー (2019年9月2日 22時) (レス) id: ed034718e4 (このIDを非表示/違反報告)
キューブ(プロフ) - 更新しますですー (2019年9月2日 21時) (レス) id: ed034718e4 (このIDを非表示/違反報告)
キューブ(プロフ) - 終わりました! (2019年9月1日 22時) (レス) id: ed034718e4 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ミクミキ | 作者ホームページ:http  
作成日時:2019年6月23日 12時

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