フォビアコンプレックス3 (ページ17)

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「はぁ？！」

「ほら、とっとと立ち上がって。トイレは済ませた？ご飯も食べてきてね、しばらく絶食になるから。あ、あとキミを襲った化け物の事は早く忘れるんだよ」

「いや、ちょ、ま」

「それと、今日からチームメイトになる二人を紹介するね。こちらはマンドラゴラ、水を濾過できるよ。んで、こっちはその辺から攫ってきた特殊部隊隊員。なんかいかにも使えそうな感じだし、万が一の時には食糧にもなる」

「待てよ！」

　ジョバンナが声を荒げた。うるさい。

「まず地上は汚染されているんだろ？！そんなところにどうして行くんだよ！それに、化け物の事を忘れろって？！チームメイトというかそいつらだめだろ！攫ってくんなよ！」

「うるさいなぁ。ちゃんと対策はしてるんだし大丈夫だよ」

　面倒になったので、腰をがっちりと抱え上げた。マンドラゴラの手を引いて、研究所の廊下を這う。

「ここはもうだめだよ、止めるのが遅すぎた。逃げるしかない」

「な、何を言ってんだよ？」

「しかもアルラウネが異常進化をしている。このままここにいたらどっちみち死ぬよ」

　アルラウネ、という単語を聞いて、ようやくジョバンナは黙った。過去の記憶でも甦ったのだろうか。彼女にとって、アルラウネは何より恐ろしい単語だったろうから。

　このままここにいれば死ぬ。これはほぼ確定している。かといって地上……アウターヘヴンに出て生き延びられるかは分からない。あそこは化け物だらけだから。けど、確実に死ぬ場所にずっと居続けるのはもっとだめだろうし。結局はそうするしかないのだ。

「……なんかはぐらかされた気がする」

「気のせいだよ」