人間フィロソフィー (ページ18)

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第17話　セトページ18

「こんにちは、人間……じゃ、ない？！」

　ぴょんと飛び出す愉快な少年、それは僕、セト・ロマン！ついさっき、ここに帰って来ていたところだったのだけれど、この女の子はだぁれ？

　絶対に、人間じゃない。人間は、死んだら動かないはずだろう？なのに、どうして動いているんだ？そんな疑問を頭に浮かべる。でも、すぐに取り払った。ここに来るやつは、それなりの理由を持っているのだし。彼女について行けば、面白い事になりそう。

「こ、こんにちは？初めまして、クレアだよ」

　彼女は、少しだけ戸惑ったみたいだった。あくまでも、ほんの少しだけ。すぐに元の調子に戻ったのか、挨拶をする。当然、僕も返した。

「ご機嫌よう、お嬢さん。僕はセト・ロマン。スターだよ」

「……スター？」

　しかし、彼女にはよく分からないらしかった。スターを知らないのかい？花形だよ、花形。まあ、教えるのも面倒臭いから、口には出さないけど。

「こんなところに、いったいどうしたんだい？ここは悪い魔女がいるんだよ？」

　嘘は言ってない。お母さんは、人間からすれば十分に悪であろう事は、想像に難くはなかった。しかし、彼女は人間ではないみたいだから、もしかすると違うのかもしれない。

「魔女？……マーガライトさんの事？あの人、悪い人じゃないよ」

　クレアは首を振って否定している。本当にそう思っているの？お母さんは子供ではない人間や魔物を食べているのに。けれど、まあ。面白そうな事に変わりはないのだし、彼女について行ってみようかな？