人間フィロソフィー (ページ14)

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第13話　セトページ14

「やあ人間！」

　ぴょんと飛び出す素敵な少年、それは僕、セト・ロマン！僕はケタケタと笑い声をあげてみせた。彼は一瞬、ほんの一瞬だけ目を丸くして、そして呆れたような顔をして、再び、動物達とたわむれだした。

「ねえ人間！何で無視するんだい？！スターのセトさんだよ？！驚かないの？！」

「帰れ」

　至極面倒臭そうに一言だけ言うと、近くにいた動物達を撫でるキョギ。もう、イケずだなぁ！未来の大スターが目の前にいるっていうのに。サインくらい、貰おうとしないのかい？

　僕はブーブーとブーイングしながら、地面に這いつくばってごろごろと転がる。人間の子供は、こうやって不満を表すんだろう？知っているよ。だからその真似をしているっていうのに、キョギは死んだ魚みたいな目をしている。

「へーい用件だけでも聞いておくれやすぅマイブラザー。ほら、僕の知り合いの魔物とか、殺させてあげるからさぁ」

「だから帰れって」

「んじゃついでに、僕のお母さんも殺して良いよ？」

　譲歩しまくって、お母さんも差し出す。できる事なら僕が殺したかったんだけど、それより彼とショーがしたいので。言うと、彼はかなりの時間黙り込んだ。思案しているのだろう。てか、そんなに魔物嫌いなの？

「いやね、一緒にショーに参加したくないかなって」

「却下だ」

「何でやねん！」

　裏拳でツッコミを入れようとしたら回避された。そのままの勢いで、一回転して、また倒れ込む。そして、キョギは馬鹿を見るような目をしている。

「お前、スターじゃなくてクラウンの間違いだろ……」

「クラウンって？」

「道化師」

　失礼な！ぷんぷんと怒ったような顔をしてみせる。キョギはもう何も言わず、動物達とふれ合っていた。だめだこりゃ。今日のところは引き上げるか。

　もちろん、諦めたわけじゃないけどね！