ドロモスワークスカンパニー4 (ページ6)

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エピローグページ6

その男は知っていた。もはやこの世界は見捨てる他にないのだと。

　幻想体の脱走、それによる影響は大きかった。有能であったチーフですら汚染されてしまっていたのだ。終了処分に下したが、彼女らが本当に死ぬ事ができたかは分からない。特にマーガライトは汚染が激しかった。おそらく確実に助からないであろうほどには。

　死ぬ事すらも許さないそのおぞましい汚染……。

　男は軽く首を横に振った。その長い髪がさらさらと揺れる。

　この汚染はもはや止められない。

　汚染されていない職員は逃がす事ができた。この汚染は死体には作用しない。彼らの死体を活用させてもらうしかない。

　男は立ち上がった。もはや施設で生きているのはこの男しかいなかった。だが、やがて一人もいなくなるだろう。男は自身も汚染されているのだと理解していた。

　その男、レイチェルはかすかに唸る。

　唯一の救いは蜘蛛と人形がD社に協力的であった事だ。二匹の怪物は、あの化け物に利用されるのはまっぴらと言っていた。しかし……化け物はそれを許さなかったらしい。そしてその怒りの矛先が向かうのはどこか、レイチェルは知っていた。

　すぐ後ろから誰かの足音がする。レイチェルは振り向かなかった。