確認 ページ26
まずあたしは、部屋の中にあるという発電機を探した。
「これ、かな？」
部屋の隅に設置されていた、見慣れない箱。いくつかスイッチがついていて、近くには何かの紙切れが。これが説明書だろう。
説明書によると、これはフォボスエネルギーを電気に変える装置らしい。職員さんは魔力をフォボスエネルギーとか電力とかって呼んでたっけ。フォボスエネルギーと電力って、何が違うんだろう。どっちも似たようなものなんじゃないのかな。
装置に魔力をそそげば、電気がつくみたい。下手にそそぎすぎて壊してしまわないように、あたしはゆっくりと魔力をつぎ込む。
数分間そうしていると、ようやく照明がついた。電気の量を示すメーターは四分の一くらい光ってる。一日の消費量がどのくらいか分からないし、とりあえず満タンにしておこう。
溜まりきったら、次は食料の確認。台所にたくさんの段ボールが詰まれている。中身は何種類かあるようだ。冷凍庫にはパック詰めされた食べ物がずらり。水の入った大きなペットボトルもある。
一ヶ月分の食料があるってのは本当らしい。なんなら多分、二ヶ月くらいこれだけで生活できるかも？
唯一心配なのはトイレや風呂だけど……水の入ったペットボトルはたくさんある。ちゃんと節約さえすれば、足りるはず。
「狭いところにい続けると精神的にまいっちゃうって聞くけど……スポーツとかゲームとかの暇潰しも必要かな。ネットが使えるかどうかで大分違うけど」
確認しなきゃいけない事が多すぎて、あたしはため息をつく。リフレッシュするために、大きくのびをしようとして……。
「ん？」
はて。何か揺れたような。
かすかに建物が揺れたような気がした。地震か？本当に、本当に小さな揺れだから、もしかすると気のせいかもしれないけど。
まあ良いや。カチュアが起きる前に全部済ませちゃおう。
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