茶番 ページ24
「……あ」
売店からの帰り道、あたし達はまたサリエルさんを見かける。
「だ、か、ら!怪我したんなら怪我したって言いなさいよお馬鹿ァ!アタシこれこの前も言わなかった?!」
「いいえ。サリィちゃんがそのような言動をした記憶はありません」
「アタシが言ったって言ったら言ったの!良いわね!ほら腕出しなさい!」
サリエルさんはまた誰かにお説教をしているようだ。されているのは、サリエルさんとよく一緒にいるのを見かける職員さん。名前は聞いた事ないけど、片目から不思議な炎を発している、ひどく人間離れした雰囲気の人だから、記憶に残ってる。
サリエルさんは奇妙な痙攣をしながら、職員さんの腕の火傷を治療している。あの職員さん、身体から発火しているみたいだし、治療しても無意味なんじゃないかなぁ。
そう思いながら眺めてると、アラームが鳴った。
『A-763-Gが暴走しました。付近の職員は速やかにA-763-Gを制圧してください。繰り返します。A-763-Gが暴走しました。付近の職員は速やかにA-763-Gを制圧してください』
「あー!ちょっとフェイナス!アタシを担いでA-763-Gのとこに連れていきなさい!んもう、どうしてアイツはいつもいつも……!」
激しく痙攣しだしたサリエルさんを職員さん……フェイナスさんが担いで、去っていった。人一人担いでるってのに、結構速い。
何だか面白いものを見たなぁ。
ちょっと笑って、あたし達は自分の部屋に戻った。
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