食堂で ページ23
少し迷ったけど、あたし達は食堂で何か食べる事にした。
「カチュアは何を食べる？」
「パンケーキはこの前食べたし、パフェかなぁ……華璃ちゃんは？」
「あたしアイスクリームが良いな。フレーバーはどうしよう？」
そんな事を話しながら、食堂の席に着いた。周りを見渡してみると、意外と来ている人は少ないようだ。あたし達を含めても、四人くらいだ。若い男の人と、三つ編みの女の子。Jackさんと、スージー。
そういえば彼らは何を頼んでいるのだろうか。スージーは血が好きらしいけど、ここでも血液とか頼めたりするのかな。
そんな風に考えていると、ロボットが料理を持ってきた。カチュアには大きなパフェを、あたしにはチョコレートソースがふんだんに振りかけられたバニラアイスを。
「カチュア、一口あげる。あーんして、あーん」
スプーンにアイスを乗せて、カチュアに差し出す。それは食べたカチュアは嬉しそうに目を細めた。
「あーん。……うん、すっごく美味しいね。じゃあこっちも、ほら、あーん」
すると今度はカチュアがあたしにパフェを一口分。遠慮せずに頂いた。本当に美味しい。あたしはにっこり笑顔になる。
「ありがとうカチュア！」
「えへへ、こっちこそありがとう」
今回はちゃんと、社員証を用意してきた。支払いを終えて、食堂を出る。次は何をしようかな。そう思いながら、廊下を歩く。
売店でスナック菓子とかジュースとか買おうかな。新しいゲームソフトが開発されたって聞いたし、それも買いたいし、それから、お洋服も新調しよう。後、可愛い小物とかあったら購入したい。
本部棟の職員さん達は、忙しそうにしている。彼らの邪魔をするわけにはいかないので、道の端を歩いた。
「あがっ？！」
悲鳴が聞こえ、立ち止まる。悲鳴？何かあったんだろうか。それにこの声には聞き覚えがあった。この声は……。
きょろきょろと周りを見渡すと、すぐに目に付いた。緑色のふわふわとした髪の毛の青年が、倒れている。アインさんだ。倒れているアインさんの傍らには二人の男性が立っている。片方は見た事がある。この前の休日に機械を運んでいた白雲さんだ。もう片方の男性は知らない。オレンジ色の髪の毛をした、端整な顔立ちの男性のようである。
二人はその整った顔に似つかわしくない、卑下た笑顔を浮かべてアインさんを見下ろしていた。ううん、見下すと言った方が正しいだろう。
あたしは思わず、駈け寄った。
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