人工物、あるいは人ならざる者 (ページ37)

今日:2 hit、昨日:5 hit、合計:3,833 hit

外伝23 ページ37

ジェベリアはふと目が覚めた。外はまだ暗い。今は何時頃だろうか？妙な時間帯に起きてしまったかもしれない。スマートフォンを見ると、どうやら四時頃らしかった。

　少し早く目が覚めた。二度寝でもしようか。目を閉じようとしたジェベリアであったが、何か思い付いたようだ。ベッドの中でもぞもぞと身動きし、隣で眠るジョンの方を向く。

　眠っている彼にちょっとしたいたずらをするようだ。

　すぅすぅと静かに寝息を立てているジョンの首筋を柔かな舌で舐め、耳を指で優しくなぞる。

「ダーリンは可愛いわねぇ」

　からかうような口調で言う。彼が眠っている事は知っているが、それでも思わず口に出てしまったのだ。首の次には顔を舐めたり、唇を軽く吸ったり、腰や足を指でなぞったりもした。彼が起きている時にするには少し恥ずかしい行為だった。彼女は面白がっている。

　だが次の瞬間、ジェベリアは小さな悲鳴をあげた。暗闇の中、ジョンの射貫くような目に気付いたのだ。

　ジョンは無言で彼女の耳や首筋をくすぐる。ジェベリアは唇を強く噛んで必死に声を抑えるが、それでも唇の隙間から息が漏れる。ジョンから逃れようともがいているが、身体にうまく力が入らないようだ。

　数十分後、ジェベリアは意識もなくぴくぴくと痙攣するだけになった。

外伝24→←外伝22