外伝19 ページ33
昨日からジョンは自室にこもっている。話を聞くと、発作に苦しめられているらしかった。
ジェベリアははじめ、扉越しに声をかけた。が、ジョンは放っていてほしいと言う。扉を開けようとするも鍵がかけられていた。さすがに鍵を壊すわけにはいかないので、たまに扉越しに声をかけるくらいしかできない。
ジェベリアは扉の前に盆に乗せた昼食を置く。水の入った一リットルペットボトル、野菜のサラダとスープ、鶏肉を塩コショウで焼いたもの。隠し味は入れず、レシピの通りに作ったからジョンにも美味しく食べられるだろう。隠し味がジョンの口には合わないという事をジェベリアは覚えていた。
「お昼ご飯ここに置いとくわよ」
「ああ……ありがとう」
ややかすれた声がする。もしかすると、喉が渇いているのかもしれない。水をもう少し多めに差し入れるべきだっただろうか。ジェベリアは唸る。体調は大丈夫なのだろうか?姿が見えない、分からないというのは不安だったのだ。
ジェベリアはうう、と唸る。何かしたいのに何もできないのはストレスになるようだ。
「ダーリン、私にできる事があるなら言ってね。私の身体が必要なら使って良いし……多少顔に傷がついても構わないわ」
それだけ言い、戻ろうとしたその時。
「……天使ちゃん」
扉の向こうから呼び掛けられる。
「何?」
「拷問部屋で待っててくれるかい?できれば、準備もしていてくれると嬉しいな」
「拷問部屋ね、分かったわ」
ジェベリアは頷いて、部屋の扉を離れる。自分にもやれる事があるというのは嬉しいものだ。ジェベリアは少し喜んでいた。ジェベリアはあまり拷問を嗜まない。準備がうまくできるかは分からないが、やれる事をやろう。
4人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
夜(プロフ) - 素晴らしいお話、ありがとうございます。楽しみに待っています (2021年7月22日 13時) (レス) id: 1f55a4bce5 (このIDを非表示/違反報告)
つーちゃん - ください (2021年7月4日 14時) (レス) id: 84f4461b32 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ