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外伝7 ページ21

「天使ちゃん」

 その日は特別な日ではなかった。ありふれた、いつも通りの日だった。ジェベリアの誕生日でもなかったし(そもそもジェベリアは自分の誕生日を知らないのだが)、結婚記念日は当分先だった。

 だから、ジョンが手渡したそれを見て、ジェベリアは目を丸くしたのだ。

 それは銀の髪飾りだった。鮮やかな宝石がいくつか嵌め込まれていて、細やかな装飾もされている。ジェベリアは宝飾品に詳しくはなかったが、高価なものであると一目で理解できた。

「どうしたのダーリン、こんな……もしかして今日は何か特別な日だったかしら?」

「いいや?特別な日にしか贈り物をしたらいけない、なんて法律はないだろう?」

「まあ、そうだけど」

 つけてみても良い?とジェベリアが問うと、もちろんだよ、そのために買ったんだから。とジョンは答える。ジェベリアはいそいそとドレッサーの前に座り、ジョンに髪飾りを手渡す。ジョンは彼女の意思を察して、彼女の髪に丁寧に髪飾りを差し込んだ。

 装着をして、ジェベリアはゆっくり立ち上がる。指先でもみあげを弄びながら、ジョンに言った。彼女の頬は、気恥ずかしさか、あるいは喜びかで、赤くなっている。

「ありがとう、ダーリン……ねえ、私、綺麗かしら?」

「どういたしまして。もちろん綺麗だよ」

 ジョンの長い指がジェベリアの頬を優しく撫でる。ジェベリアはやめてよ、と口では言ったが、まんざらでもなさそうにジョンの指に頬擦りをした。

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(プロフ) - 素晴らしいお話、ありがとうございます。楽しみに待っています (2021年7月22日 13時) (レス) id: 1f55a4bce5 (このIDを非表示/違反報告)
つーちゃん - ください (2021年7月4日 14時) (レス) id: 84f4461b32 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ミクミキ | 作者ホームページ:http  
作成日時:2021年5月28日 23時

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