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第八十一話 夜雅寺ゆめみ ページ34

今日は耳鳴りがひどいな。
何故かくしゃみも出る。風邪でも引いたのかな




「ねぇ、私の親友。
何時になったら願いを告げてくれるんだい」


聞こえる。また。


「ごめんなさい天使様、
私はまだ願いが見つからないの」


何回目の会話?



「天使様」と「あたし」
「願いを叶えてくれる天使様」と「それを拒むあたし」

…神に見放されてしまうかな



生まれた頃から、熱心な神の信者だったパパとママに連れられて、礼拝堂の暖かなパイプオルガンの音色を、椅子の木の匂いを、牧師様の立つ姿を、13年間ずっと見てきた。

彼らが崇拝するものはあたしに付きまとう

きっと悪魔よ、天使の皮を被った悪魔

なんて何回も考えた


……しかしそれすらもこの悪魔はわかるみたいね


「何度も言っているじゃないか、私は悪魔などではない。君を救える唯一の手だよ」

「…うるさいね、あたしは悪魔の手をそう易々と借りるほど落ちぶれてないよ。」

「本当に頑固だね、可哀想に。
(妄想)しか知らないから受け入れられないんだ」

「………勝手に言ってなよ」



普通の13歳ならこの「願いを叶えてくれる天使」に必死で縋ったりするのかな。
逆にあたし、なんでこいつに縋ったりしないんだろ。


いや、いい。考えなくてもわかる
本能が言ってるんだ。
「こいつに心を許すな」って。
自分を律して、そうして今まで生きてきたじゃない、そうして頑張って軍事サービスを仕切る程の地位を手に入れたじゃない



………はあ、コーヒー牛乳でも飲みたいよ



「コーヒー牛乳が飲みたいのかい?」

「自分で買うからいい。いらない」

「いくらでも与えてあげるよ」

「いらないって言ってるの。聞こえない?」

「聞こえるさ。いらないって声もうるさいって声も鬱陶しいって声も」

「っ………よくわかってるんじゃない。なんであたしなの?なんであたしに付きまとうの?」

「………さぁ…なんでだと思う?」



なんでだ?
なんでこの悪魔はあたしに付きまとうの?
あたしが嘘つきだから?
あたしが悪い子だから?



「大丈夫かい、親友。怖い顔をしているよ」


「うるさい!!!!こっち来ないでよ!!!!」

付きまとう声を払うように長い髪の毛を振り乱す。

「それが願いかい?」

「っ………ええそうよ!!!!!!!!もう耐えられない!!!!!!!!
何処からか知らない声が聞こえるなんてもう耐えられないわよ!!!!!!!!」



「天使様、お願いだからあたしの前から消えて!!!!」



笑い声が 聞こえる。

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ミクミキ(プロフ) - 終わりました! (2019年12月16日 22時) (レス) id: eada72cfbe (このIDを非表示/違反報告)
ミクミキ(プロフ) - 更新します! (2019年12月16日 22時) (レス) id: eada72cfbe (このIDを非表示/違反報告)
キューブ(プロフ) - 更新しましーた (2019年12月16日 22時) (レス) id: ed034718e4 (このIDを非表示/違反報告)
キューブ(プロフ) - 更新しまっす (2019年12月16日 21時) (レス) id: ed034718e4 (このIDを非表示/違反報告)
ミクミキ(プロフ) - 終わりました! (2019年12月10日 22時) (レス) id: eada72cfbe (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ミクミキ x他2人 | 作者ホームページ:http  
作成日時:2019年11月13日 19時

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