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第五十二話 富岡 ページ4

「アネモネお姉様、後ろっ!」

 叫ぶのと同時に、ラミアはアネモネお姉様の頭を叩き潰した。水風船が割れた音と瓦を割った音を足して割ったような不快な音がした。

 それと同時に、破裂した脳味噌や頭蓋骨の破片が周囲に撒き散らされる。骨の破片が直撃したソレイユお姉様は、呻き声をあげて後ずさりしようとしたけど、ラミアはそれを許さず、ソレイユお姉様の腹に爪を立てて、腸を抉り出した。

 絶叫をあげながら倒れるソレイユお姉様には構わずに、ラミアはそのまま、毛糸玉で遊ぶ猫のように、ぶよぶよとした内臓を弄ぶ。

 研究所に秘密結社が特攻し、複数のミュータントが脱走したの。ラミアもそのうちの一匹。私達鎮圧部隊は、ラミアの捕縛をしなければならなかった。

 ラミアはひどく暴れて、いくつもの建物が倒壊した。気になっていたお茶屋も、もちろん潰れて。あそこにいた人達は、当然死んだだろう。せめて楽に逝ってくれていれば良いのだけどね。

 何発も銃を撃つ。そこまで効かないと分かっていても、やるしかないのだ。それが、私達の役目。使い捨ての鎮圧部隊のね。

 麻酔銃を使うためにも、少し弱らせる必要があるの。けど、その少しのために、私達はたくさん死ななければならない。仕方のない事だけど、もう少し効率的にならないのかしら?

 ぶちぶち、めきめきと、リネットお姉様の腕が、肉も骨もへし折られていく。私達はリネットお姉様ごとラミアに銃弾をぶち込む。

「しつこいのよ、このクソ女!さっさとくたばれ!」

 ラミアの剥き出しになった肉に銃弾をぶち込むと、ラミアは怯んだように後退していく。よし、少し弱らせる事ができた。これで、麻酔銃も効くだろう。けど、ここで油断してはいけない。目をそらせば、殺される。

 睨み合いが続いたのは数秒だけだった。もちろん、体感では何時間も経っているのだけど。応援部隊の麻酔銃がラミアのこめかみを撃ち抜いたのだ。

 ラミアはふらついて、そして倒れる。そのままコンテナに詰め込まれて、研究所へと輸送されていった。

 私達は、コンテナを乗せたトラックが見えなくなるまで敬礼をしていた。

「……ふぅ。鎮圧ご苦労様でした!」

 そして見えなくなった途端に、場の空気が弛緩する。生きるか死ぬかの緊張から開放されて、へたり込んでいる子もいた。

 今回犠牲になったのは三人だけ。たったこれだけの犠牲で鎮圧できたなんて!帰ったら翠様に報告して、褒めてもらいたいな。

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ミクミキ(プロフ) - 終わりました! (2019年12月16日 22時) (レス) id: eada72cfbe (このIDを非表示/違反報告)
ミクミキ(プロフ) - 更新します! (2019年12月16日 22時) (レス) id: eada72cfbe (このIDを非表示/違反報告)
キューブ(プロフ) - 更新しましーた (2019年12月16日 22時) (レス) id: ed034718e4 (このIDを非表示/違反報告)
キューブ(プロフ) - 更新しまっす (2019年12月16日 21時) (レス) id: ed034718e4 (このIDを非表示/違反報告)
ミクミキ(プロフ) - 終わりました! (2019年12月10日 22時) (レス) id: eada72cfbe (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ミクミキ x他2人 | 作者ホームページ:http  
作成日時:2019年11月13日 19時

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