第七十七話 ネロ ページ30
あたたかな、ゆめをみる。
「ねぇねぇ、今日の晩御飯はコトネが作るから、休んでていーよ!」
「あら、じゃあお言葉に甘えようかしら。」
血は繋がってない家族。
私の保護者で、男なのに女の人みたい。
でととっても強かって、すっごい優しい。
好きなものはお菓子とか、お茶。
嫌いなものはすぱるた?って言ってた。
あぁ、そうそう、可愛いものも好きなんだっけ。
それにね、料理がすっごい上手なの。
いつも私の面倒を見てくれて、守ってくれて…それで…
わたしが、ころしてしまったひと。
この手で、ナイフを握って、肉を掻き分けて心臓を貫く。夢の中でも思い出すあの生々しい感覚。
温い血が手を染めて、床に広がる。服にしみて、固まっていく。鉄の匂いが、つんと鼻にしみて、自分の犯した罪を自覚させる。
それで、その後、知らない人に連れてかれて…それで……あぁ、そうだ、連れてかれてるときに、みんな死んだら、悲しみなんて起きないから幸せだ、じゃあ人間はみんな死んじゃった方がいい、そう思ったら、おっきな地震が起きて……でも、確か、すぐ意識失っちゃって………多分、牢屋か、何かに入れられた。
あの時から、このさむい、さむい地下で、ずっと寝ている。
頭にチューブを繋がれて、眠らされている。
段々夢が薄くなる気がして、夢から覚めようとするけど、チューブからでてくるおくすりが強くなって、起きれなかった。
わたしはゆめをみる、あたたかなゆめを。
じしんのつみをわすれて、かこのきおくをたどる。
かなしいことはなにもない
しあわせだけをつめこんだ、さとうがしみたいにあまくてきらきらしたゆめ
そんなゆめに、きょうもおぼれる
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ミクミキ(プロフ) - 終わりました! (2019年12月16日 22時) (レス) id: eada72cfbe (このIDを非表示/違反報告)
ミクミキ(プロフ) - 更新します! (2019年12月16日 22時) (レス) id: eada72cfbe (このIDを非表示/違反報告)
キューブ(プロフ) - 更新しましーた (2019年12月16日 22時) (レス) id: ed034718e4 (このIDを非表示/違反報告)
キューブ(プロフ) - 更新しまっす (2019年12月16日 21時) (レス) id: ed034718e4 (このIDを非表示/違反報告)
ミクミキ(プロフ) - 終わりました! (2019年12月10日 22時) (レス) id: eada72cfbe (このIDを非表示/違反報告)
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