だいたい死ぬやつら

【B-072-B】 ページ24

【管理ナンバー】
B-072-B


【コードネーム】
吸血鬼


【需要】

B-072-B-1は、婦人帽に酷似した形状をする生命体です。着用した人間の肉体に寄生し、癒着します。ヒト由来のものと、ヒルに類似したDNAを持ちます。

B-072-B-1は宿主(B-072-B-2と記す)の頭蓋骨を削り、特殊な触手を挿入して寄生します。少しずつ中枢神経と融合しあい、最終的に宿主の中枢神経をすべて乗っ取ります。次に宿主の肉体を改変させていきます。犬歯に卵管を発達させ、蝙蝠の羽に類似する新たな腕を背部に生成します。この腕での飛行を可能とします。

現在は下級職員[データ削除済]に寄生しており、下級職員[データ削除済]はB-072-B-2として扱われています。

B-072-B-2の犬歯には毒腺のような器官が存在しています。これはB-072-B-1の卵管であり、犬歯を挿入した対象(B-072-B-3と記す)にB-072-B-4の卵を寄生させます。卵は数分で孵化し、その後十分ほどで宿主の神経と融合し新たなB-072-B-3となります。更に一時間後、B-072-B-4が全身から発生しますが、このB-072-B-4は帽子の形態をとらず、B-072-B-3の身体能力もB-072-B-2より劣り、犬歯に卵管を持ちません。そのため、B-072-B-1とは別にナンバリングされます。

B-072-B-2は極度の不死性を持つ事が確認されました。

B-072-B群は銀に対してアレルギーを持ち、嫌光性です。紫外線に対して極端な反応を示す事と先述の嫌光性により、夜間での活動を得意としていると推測されています。水を怖れており、特に流水には近寄る事を拒絶します。またヒガンバナ科ネギ属の多年草、特に球根部分に対して強い忌避感を持ちます。

B-072-B群は奇妙な事に、眼球での知覚は可能ですが、光に対して一切の反射を行いません。そのため機械媒体での撮影などの試みは全て失敗に終わっています。


【管理方法】
B-072-B-1をB-072-B-2から引き剥がす事はしないでください。一日三度、B-072-B-2の体重と同程度の量の血液を取らせてください。B-072-3が発生した際にはB-072-4ごと焼却処分してください。


【担当職員】
H115
V004


【補遺】
B-072-B-1は発見当初ナンバリングされておらず、B-072-Bとされておりました。しかし下級職員[データ削除済]に対する着用実験によりB-072-Bが下級職員[データ削除済]に寄生してしまった事で、B-072-BをB-072-B-1、下級職員[データ削除済]をB-072-B-2とナンバリングしました。

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